Sow The Seeds

介護の現場から リーダーのためのブログ

社会一般

介護施設における虐待問題を考察する【クローズアップ現代プラス】

6月4日(火)NHKのクローズアップ現代プラスで『介護施設“虐待死”なぜ?』と題した放送がありました。 www.nhk.or.jp 5月末に報道された介護付き有料老人ホームの入居者死亡事件を受けて、介護施設における虐待問題について取り上げたものです。 介護付き有…

【後編】「してあげる場」から「共に営む場」を目指して【特養】

前回の記事では、自立度高めのご利用者Aさんがキッカケで、より幅広いニーズに応えられる施設になるためにはどうしたら良いか考えている。そもそも利用者にとっての家である老人ホームは、生活を営む上での「めんどくさい事」をことごとく利用者から奪い、も…

【前編】「してあげる場」から「共に営む場」を目指して【特養】

「仕事つき」「役割を持って」「共生」そんなワードがあらためて熱いように感じる。 ・要介護の高齢者が有償で野菜栽培に取り組む 「仕事付き高齢者向け住宅」が生み出す可能性 | HELPMAN JAPAN ・「お散歩は『徘徊』じゃない」 駄菓子屋も開店!? “管理”しな…

意思確認が出来ない方へ全ての延命治療を試みることの妥当性【自らの胃ろうを希望する介護職員は1.1%】

Aさまの事例…これまで自分で歩かれたり食事を食べられたり、特養の中では比較的自立度も高く、職員ともコミュニケーションを取りながらマイペースに過ごされていたAさま。ある日脳梗塞で倒れ、救急搬送、入院加療。後遺症のため身体は片麻痺、麻痺側でない方…

「高齢者への虐待件数報道」を深読みする

こんにちはyuです。3月26日、厚生労働省から2017年度の高齢者への虐待件数が発表されました。養介護施設従事者による虐待が510件、家族等養護者による虐待が17078件、報道によっては昨今の介護職員による虐待の不安を煽るような見出しをつけて報じているとこ…

※4/14追記あり 介護人材確保のために、人員配置基準の厳格化を提案したい【政策・経営】

こんにちは、yuです。ここのところ、どうしたら介護分野に働き手がより多く集まるのか(あるいは離れないか)、ということを悶々と考えています。2025年問題*1に向けて、毎年6万人ペースで介護職員を増やさなくていけないと言われていますが… 結論から言いま…

スウェーデンで働く日本人介護士さんに、本場の老人ホーム事情を伺った【ユニットケア】

これまで、書籍「スウェーデンの老人ホーム/岡田耕一著」の紹介や、三回に渡って「日本のユニットケアはどうなっていくべきなのか?」という持論を掲載させて頂きました。過去記事リンク▼ スウェーデンの老人ホームとの比較から、日本型ユニットケアの問題点…

『介護の生産性』に対する強い懸念、怒れる介護福祉士の主張

こんにちはyuです。最近はユニットケアに関することを連載のように書いていたのですが、ちょっと中休みで、今回は違うことを書かさせていただきます。どうしても気持ちを吐き出したかったので、すみません。先日職場にある平成31年1月1日付のシルバー新報(…

あなたの施設は大丈夫?介護施設の決算書を見てみよう【貸借対照表を解説する】

先日、福岡県にある介護施設の経営難がニュースになっていました。 福岡県行橋市流末(りゅうまつ)の社会福祉法人「友愛会」が運営する特別養護老人ホームなど2施設で、複数の職員退職や、水道代の支払い遅延など運営に行き詰まったことが3日、分かった。市…

「科学的介護」の推進は、たぶん大失敗する

政府が推進している科学的介護。 どのような状態に対してどのような支援をすれば自立につながるか明らかにし、自立支援等の効果が科学的に裏付けられた介護を実現するため、必要なデータを収集・分析するためのデータベースを構築する。 ケアの分類法等のデ…

75歳以上のすべての人に、安楽死できる権利を認めてはどうか

104歳のオーストラリア人科学者が、先日安楽死を遂げたというニュースがありました。※上の写真は関係ありません。 【シドニー共同】安楽死を希望していた104歳のオーストラリア人科学者が11日までに、渡航先のスイスで致死量の薬物を注射し死亡した。最後の…

「理想と現実のギャップ」との付き合い方【新人介護士向け】

こんにちは、yuです。4月になりましたし、社会人なりたて、入社したて〜2年目くらいまでの方々にメッセージを送りたいと思います。この仕事をしていると「想像していたのと違う」とか「本当はもっと利用者に寄り添った仕事がしたかった」とか、組織に対する…

『排泄予知ウェアラブル・DFree』は世界を変えられるか

こんにちは、yuです。大変お恥ずかしい話ですが、私はトイレが近いのが悩みの一つでして、将来介護される身になった時に、きっと介護士さんには迷惑かけるだろうなーと、今からそんな心配をしています。そんな折に目に留まったこちらのニュース▼ 以下、記事…

「自立支援の取り組みに対するインセンティブ」に関する論争について

先日投稿したこちらの記事について▼www.sow-the-seeds.com 色々誤解も生みそうなので少し補足をさせていただきたいと思います。前回私が否定的な書き方をした、おむつ外しや自立歩行の促し等、いわゆるADLの維持向上に資する取り組みに対して報酬加算を行う…

医療と介護の違いを国もあまり分かってないから迷走する【平成30年度 介護報酬改定】

こんにちはyuです。1月はブログお休みしておりまして今年初めての投稿になります。今年もよろしくお願いします!さて、1月26日、第158回社会保障審議会より平成30年度の介護報酬改定の全容が明らかにされました。 www.mhlw.go.jp 介護報酬は全体で0.54%のプ…

人はなぜ生きていられるのか【安楽死の是非について】【死生観の授業10】

12月24日に放送された「TVタックル(テレビ朝日系)」で、安楽死に関するテーマを取り扱っていました。安楽死に関する本も出している、脚本家の橋田壽賀子氏をゲストに迎え、様々な意見が交わされていました。 安楽死で死なせて下さい (文春新書) 作者: 橋田…

「勤続10年以上の介護福祉士、月8万円の処遇改善」をどう考えるか【新政策パッケージ】

こんにちは、yuです。ここの所バタバタしておりまして、更新が滞っていました。申し訳ございません。さて、今更感もありますが12月8日に閣議決定された「新しい政策パッケージ」について。 リンク:経済対策等 : 経済財政政策 - 内閣府この中では、介護人材…

【東レのデータ改ざん報道を受けて】根本的な原因は〇〇である

28日に発表された、東レハイブリッドコード(愛知県西尾市)が製品検査データを改ざんしていたと言う件について。改ざんはあったものの、安全面ではかなり余裕を持った品質基準を設けており、基準を満たしていなかったからと言って、すぐに安全性が脅かされ…

それでも私は貴乃花親方が大好きだ【偉人たちの名言集】

日馬富士、貴ノ岩間で起こった暴行問題が日々世間を騒がせていますね。沈黙を貫く貴乃花親方の動向にも注目が集まっています。協会で仕切り決着を見たいであろう八角親方。モンゴル力士会の発起人で責任感かお節介か来日した旭鷲山。暴行事件として警察に調…

「残業する権利」という考え方もある

これまでにも、残業に関する記事をいくつか書かせていただきました。過去記事▼www.sow-the-seeds.com www.sow-the-seeds.com 残業は少ない方が経営的にも働く人の健康的にも良いことは今更言うまでもありません。ですが私は「残業=悪」とも思っていません。…

統計・歴史・心理学からみる、少子化の原因と豊かな社会に関する考察

少子高齢化の加速は誰もが認識している社会問題の一つです。今までの記事でも紹介した通り、急速な長寿化が進み高齢者で溢れかえった人口構造と、それにかかる社会保障のお金、当然国は若い人向けに十分なバックアップをすることが出来ない懐事情、ますます…

職場で徒党を組んだりイジメをしたりする人達は「仕事=〇〇〇〇〇」を分かっていない

集団で仕事をしていると、やたらと徒党を組みたがる人達がいます。それは派閥になったり、自分たちに都合の悪い人を排除しようとする手段を選ばぬイジメになったり、仕事そのものよりも上司の顔色を優先させた判断をしたり…そのような言動には「あのー、仕事…

介護施設に監視カメラは必要か【老健それいゆ、利用者死傷を受けて】

岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」で、7月末から5名の利用者が立て続けに死傷するという事故(事件?)がありました。 www.sankei.com 虐待が疑われている職員は、問題が公になる直前に退職をしたそうですが、その職員が白か黒かという事について…

「おむつゼロ運動」に見る、大衆心理の危険性

介護の世界に身を置く者ならば、「おむつゼロ」と言うスローガンを見聞きした事がある人も多いでしょう。国際医療福祉大学大学院教授・竹内孝仁氏が提唱したもので、施設介護において、根拠のある介護を行う事で日中はおむつの着用者をゼロにしましょう!と…

何が正解?社会人の身嗜みについて長々と考察する

ヒゲ、ピアス、金髪、マニキュア、タトゥー…成人し社会に出た時に、身嗜みについて考えさせられる機会は多いです。上司に注意された事のある人もいるでしょう。あるいは上司として、新人職員の身嗜みを改めるために注意をしたり。例えば「なぜ髪を染めてはい…

女性の言う「みんな〜」が全然みんなじゃない、という話

介護の現場は女性が多く、それゆえの人間関係に悩まされる事もしばしばあります。特にリーダー的立場になると、意思決定で皆んなを引っ張っていかなくてはいけない存在。皆の自分に対する見方や評価について、気にし過ぎたり尻込みするような事もあるかもし…

食事介助を行わないという父との約束 【看取り・延命】【死生観の授業4】

これまで、終末期や看取り介護等についての記事を書いてきました。 過去記事リンク ▼自分がどのように死ぬか知ってる?【死生観の授業1】実はすごく大事な『死ぬ場所』について【死生観の授業2】「看取り介護」とは何なのか?【死生観の授業3】 さてここで、…

「日本の給与制度」と「アメリカの給与制度」の違い、その根底にあるものとは

よく「日本は職能給」「アメリカは職務給」と言われています。今回は、この「職能給」と「職務給」の違いを解説します。また、なぜ日本とアメリカでこのような違いが生まれたのかについて、私の所感を綴ります。 [目次] 1 . 職能給と職務給のちがい ①職能…

メディアが言及すべき本当の論点とは【村田諒太 vs アッサン・エンダム】〜組織論の観点から〜

https://thepage.jp/detail/20170524-00000001-wordleafs5月20日のWBA世界ミドル級タイトルマッチ、村田諒太vsアッサン・エンダム戦の判定問題について。その後、WBA会長ヒルベルト・メンドーサ会長が、自身の見解をツイート。各種メディアによる試合の分析…

例え話がうまい人は、なぜ例え話がうまいのか?【4つのポイント】

私はこれまで、多くの職員と面談をしてきました。人材育成、褒める、叱る、説得、提案、相談、部下、上司…内容も相手も様々です。その際、相手に伝えたい事を伝えるための手段として、よく例え話を用いています。私は例え話がうまい…という話ではありません…