Sow The Seeds

介護の現場から リーダーのためのブログ

2019-01-01から1年間の記事一覧

ユニットリーダー研修の功罪

ユニットリーダー研修…というものがあります。これは、一般社団法人ユニットケア推進センターが行っているもので、ユニット型特養の職員(ユニットリーダー)を対象に、ユニットケアとは何か、それを実現するためにはどうしたら良いのかなどを学ぶものです。…

【事例紹介】煽る介護のリスク、奪う介護のリスク

ツイッターより▼ 悲報入居者が新しく買ったダイソーの腕時計大理石風の柄の入った文字盤なんだけど、その日の晩から「誰だこんなヒビだらけにしたのは💢」と絶賛不穏モード pic.twitter.com/nfyRd9aDOp— yu (@sow_the_seeds) 2019年9月26日 先日このような事が…

他職種に真似できない、介護職に求められる『洞察力』の正体

第二次世界大戦当時、アメリカで活躍した数学者エイブラハム・ウォールド*1の有名な逸話があります。当時、彼は軍からの依頼である調査をしていました。その頃は、爆撃機のパイロットが生き残れる確率は5割ほどと言われ大変リスクも高かった時代。軍は、敵…

【介護施設】清拭タオルの管理方法に関する調査結果

こんにちは、yuです。皆さんがお勤めの介護施設では、排泄援助の時に使用する清拭タオルはどのようなタイプでしょうか?私自身この辺の事情には詳しくなくて、調べてみると以下の3タイプが多いようです。 ① 不織布、使い捨て(ディスポーザブル)タイプ ② …

新人職員の成長度合いが垣間見える3ステップ

こんにちは、yuです。新年度も早いもので丸3ヶ月が経とうとしていますね。4月から働き始めた新人職員も徐々に仕事を覚え、慣れてきた頃でしょうか。私は現在、特別養護老人ホームで主任介護士をしています。働き方としては5割が現場の介護業務、残りの5割…

介護施設における虐待問題を考察する【クローズアップ現代プラス】

6月4日(火)NHKのクローズアップ現代プラスで『介護施設“虐待死”なぜ?』と題した放送がありました。 www.nhk.or.jp 5月末に報道された介護付き有料老人ホームの入居者死亡事件を受けて、介護施設における虐待問題について取り上げたものです。 介護付き有…

【後編】「してあげる場」から「共に営む場」を目指して【特養】

前回の記事では、自立度高めのご利用者Aさんがキッカケで、より幅広いニーズに応えられる施設になるためにはどうしたら良いか考えている。そもそも利用者にとっての家である老人ホームは、生活を営む上での「めんどくさい事」をことごとく利用者から奪い、も…

【前編】「してあげる場」から「共に営む場」を目指して【特養】

「仕事つき」「役割を持って」「共生」そんなワードがあらためて熱いように感じる。 ・要介護の高齢者が有償で野菜栽培に取り組む 「仕事付き高齢者向け住宅」が生み出す可能性 | HELPMAN JAPAN ・「お散歩は『徘徊』じゃない」 駄菓子屋も開店!? “管理”しな…

意思確認が出来ない方へ全ての延命治療を試みることの妥当性【自らの胃ろうを希望する介護職員は1.1%】

Aさまの事例…これまで自分で歩かれたり食事を食べられたり、特養の中では比較的自立度も高く、職員ともコミュニケーションを取りながらマイペースに過ごされていたAさま。ある日脳梗塞で倒れ、救急搬送、入院加療。後遺症のため身体は片麻痺、麻痺側でない方…

「高齢者への虐待件数報道」を深読みする

こんにちはyuです。3月26日、厚生労働省から2017年度の高齢者への虐待件数が発表されました。養介護施設従事者による虐待が510件、家族等養護者による虐待が17078件、報道によっては昨今の介護職員による虐待の不安を煽るような見出しをつけて報じているとこ…

【ワムネットより】『平成29年度 特別養護老人ホームの経営状況について』を解説します

こんにちは、yuです。皆さんはWAM NET(ワムネット)というサイトをご覧になりますでしょうか。独立行政法人福祉医療機構が運営する福祉・医療・保健の総合サイトで、関係するニュースや行政の動向、様々な調査結果などが掲載されているので、私たちが情報を…

介護人材確保のために、人員配置基準の厳格化を提案したい【政策・経営】

こんにちは、yuです。ここのところ、どうしたら介護分野に働き手がより多く集まるのか(あるいは離れないか)、ということを悶々と考えています。2025年問題*1に向けて、毎年6万人ペースで介護職員を増やさなくていけないと言われていますが… 結論から言いま…

スウェーデンで働く日本人介護士さんに、本場の老人ホーム事情を伺った【ユニットケア】

これまで、書籍「スウェーデンの老人ホーム/岡田耕一著」の紹介や、三回に渡って「日本のユニットケアはどうなっていくべきなのか?」という持論を掲載させて頂きました。過去記事リンク▼ スウェーデンの老人ホームとの比較から、日本型ユニットケアの問題点…

日本のユニットケアは今後どうなっていくべきなのか(3 / 3)一部訂正、再投稿

日本のユニットケアは今後どうなっていくべきなのか、最終回です。前回の記事では、隣り合う2ユニットが合体したものを中規模ユニットと定義づけ、人員配置や職員の動きについての考え方、ハード面のあり方、食事の場面、その他留意点などをつらつらと書き…

『介護の生産性』に対する強い懸念、怒れる介護福祉士の主張

こんにちはyuです。最近はユニットケアに関することを連載のように書いていたのですが、ちょっと中休みで、今回は違うことを書かさせていただきます。どうしても気持ちを吐き出したかったので、すみません。先日職場にある平成31年1月1日付のシルバー新報(…

日本のユニットケアは今後どうなっていくべきなのか(2 / 3)

日本のユニットケアは今後どうなっていくべきなのか、第二回です。前回は制度面において ユニット型施設はこれ以上増やさない方が良いのでは? ユニットケアの現場運営について、従来型の手法を取り入れた中規模ユニットを目指した方が良いのでは? という2…

日本のユニットケアは今後どうなっていくべきなのか(1 / 3)

先日の記事では、以下の書籍を参照し、日本のユニットケアとスウェーデンのユニットケアの違いを紹介しました。 スウェーデンの老人ホーム―日本型ユニットケアへの警鐘 作者: 岡田耕一郎,岡田浩子 出版社/メーカー: 環境新聞社 発売日: 2011/05/27 メディア:…