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介護の現場から リーダーのためのブログ

「理想と現実のギャップ」との付き合い方【新人介護士向け】

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こんにちは、yuです。

4月になりましたし、社会人なりたて、入社したて〜2年目くらいまでの方々にメッセージを送りたいと思います。

この仕事をしていると「想像していたのと違う」とか「本当はもっと利用者に寄り添った仕事がしたかった」とか、組織に対する不満を聞く事が多々あります。

私としては、こうした不満が生まれる理由は2つあると思っていて、1つは環境の問題、もう1つは自分の問題だと思っています。

今回は厳しいことも含め、その2つの理由についてお話しします。

新卒入社の3割は3年以内に辞める世の中、辞める前にちょっと考えていただけたら幸いです。

 

[目次]

 

 

1 . 環境の問題

まず一つ目は環境の問題です。これも「人」と「マネジメント」の2つに分けて考える事が出来ます。

① 人の問題

仕事において、大抵悩まされるのは人間の問題です。

学校で介護の勉強をして、そこで得た学びを存分に発揮し、利用者の生活の役に立ちたい…とても真っ当で、素晴らしい志です。

そのような志があればあるほど、いい加減な職員や不適切な職員、尊敬できない先輩を見てがっかりすることも多いでしょう。

しかし、残念ながら社会は「やりたくてその仕事をしている人」ばかりではないというのが現実です。

食うために仕事を探し、それがたまたまこの仕事だっただけという人も大勢いるのです。

働き方についても、仕事に情熱を注いでいる人もいれば、時間内で決められたことさえやれば良いと割り切っている人もいます。

私が言いたいのは、様々な立場の人がいて、どの人も間違っていないし、安易に否定はしないでほしいということです。


② マネジメントの問題

もう一つ環境面の問題は、マネジメントの問題です。

必要以上に少ない人数しか職員を配置せず、現場職員を疲弊させる管理職や経営者。

セクハラやパワハラが横行する上司や組織風土。

合理的な理由のない長時間残業や、サービス残業など。

今は「職員に気持ちよく働ける職場を提供できるかどうか」も競争する時代だと思います。

そのことについて意識の低い職場では、辞めたくなるのも理解できます。


③ 選択肢は3つ

こうした環境面の不満とぶつかった時に、考えられる現実的な対策は3つです。


1)戦う、偉くなる

おかしいことに「おかしい!」と意を唱え、現状を変えようと努力することです。もちろんそれによって摩擦が起こることはあるかもしれません。

しかし、当事者たちは気づいていないだけという事もあったりします。あるいは皆思っていたけど言い出しにくかっただけという事もあります。

言ったら案外なんとかなる場合もそれなりにあります。

すごく酷な言い方かもしれませんが、「組織が悪いのだけれど、自分が言うべき問題ではない」っていうスタンスのうちは所詮野党なんです。

自らも組織の一員として当事者意識を持って、今より良くしよういう行動を起こさないことには、周りのダメな人達と大差ないです。

戦うって言うと聞こえが悪いけど、職場を良くしたいと思っての発言であれば、本来そういう人こそ職場にいてほしい人です。堂々と言って良いんです。

今意見するのも1つ、自分自身が偉くなって組織を変えていくのも1つだと思います。
※仕事がいい加減な人が意見しても誰も聞いてくれません。少なくとも不誠実な真似はせず、皆から認められる程度の仕事はできている事が大前提です。


2)それなりに付き合う

心身の健康上問題のない範囲であれば、まぁまぁの距離感で付き合っていくのもありです。

不満もある、でも楽しいことやメリットもある。

不満が、メリットを上回らない位のものなのであれば、適度に割り切ってやっていきましょう。


3)辞める

会社と自分は、契約によって結ばれただけの関係です。

仕事を通じて、様々な学びや出会いを提供してくれることはありますが、会社がいざという時に自分を守ってくれることはありません。

自分の身は自分で守るしかないのです。

転職をして色々な環境を見られるのは、若いうちの特権です。

色々な環境、色々な人との出会いを求めてみるのも良いと思います(中間管理職的な立場にある私としては、若手にはなるべく辞めてもらいたくないのですが…)。



2 . 自分の問題

次に、自分自身の問題について考えてみましょう。

もう少し言うと、「自分の成長段階の問題」という言い方が良いかもしれません。

人の成長を見てみると、以下のような3段階に分かれます。

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①「実態なき理想」の段階

理想はある、知識もある。モチベーションも高い。

しかし実務を行う能力が不十分。知識を実務に転換して活かす事が出来ないなど。

この段階のうちに周りの文句を言ったところで「いや、仕事覚えてからにしようよ」と呆れられるのがオチです。

謙虚さが大事。

ひとまずはじっと堪えて、自らの仕事を覚える。戦力として最低限のことは出来るようになることを目指しましょう。


②「現実との葛藤」に悩む時期

一通り仕事も覚え、少し余裕を持って周りが見えるようになってきました。

すると改めて「あの先輩の仕事はダメじゃないか」とか「この組織は何でこんなやり方なんだ?」と、やっぱり納得いかない所があることに気が付きます。

この時期は「もう大いにもがきましょう!」としか言えないです。

簡単に答えなんて出ません。もがく期間も必要な期間です。


③「理想と現実の統合」ができる時期

様々な納得いかない事がある環境の中でも、改善策を提案したり実施したり。あるいは自分のやりたい事もやってみたり。

いよいよ自らも当事者として首を突っ込んでいく時期です。

意欲が維持できれば、改善や新たな取り組みに向かいます。しかし逆に、この頃には尊敬していなかった先輩と同じような自分になっている可能性もあります。

参考▼


いずれにせよ、現実と理想の違いを踏まえつつ、それとどう付き合いながら自分は仕事をしていくのか。その付き合い方がわかってくる時期という事です。



3 . さいごに

  1. 実態なき理想
  2. 現実との葛藤
  3. 理想と現実の統合


仕事における成長は、だいたい3ステップの繰り返しです。f:id:sts-of:20180409110518j:plain
入社・1年・3年・5年と、新人に限らず立場が変わる毎に、何度もこのステップを繰り返します。

新人さんが辞める…

その時、私がいつも思うのは、私が関わった新人さんにはこのステップを一巡は体験させてあげたかったという事。それを経験させてあげられなかった自分の無力さ。

それを経験せずして他に行っても、また同じことの繰り返しになるのではないかという心配。

余計なお世話なのかもしれませんが、年長者の戯言と、少し頭の片隅においていただけたら幸いです。

春だし、頑張ろ!