Sow The Seeds

介護の現場から リーダーのためのブログ

人はなぜ生きていられるのか【安楽死の是非について】【死生観の授業10】

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12月24日に放送された「TVタックル(テレビ朝日系)」で、安楽死に関するテーマを取り扱っていました。

安楽死に関する本も出している、脚本家の橋田壽賀子氏をゲストに迎え、様々な意見が交わされていました。

安楽死で死なせて下さい (文春新書)

安楽死で死なせて下さい (文春新書)

 

 

番組の中で橋田氏が印象的なことを言っていました。

「歳をとってみないと、この気持ちはわからない」


実はこれと同じことを父に言われた事があります。


以前このブログでも書いたことがありますが、私は安楽死には賛成している立場です。

「老後」や「長寿社会・少子高齢社会」は、文明の発展が生み出したある種の歪み、しわ寄せです。皆んなこのしわ寄せに将来を不安に思い、高齢になると苦しむのです。

臓器移植、ペースメーカー、入れ歯、胃ろう、人工骨頭、抗生剤など、ありとあらゆる治療は「より快適に、より命長く、より苦痛なく」という人間の欲望を満たすために行われています。
歳を取ったら、寿命をどのように迎えるかについても人間らしく「より楽に」逝ける選択肢があっても良いのではないでしょうか。

ヒト本来の寿命は50〜60歳という生物学的視点【書籍紹介・安楽死・死生観の授業6】 - Sow The Seeds

 

安楽死について考える時、考えなくてはいけないのが「人はなぜ生きていられるのか(精神面)」という哲学的なことです…

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「勤続10年以上の介護福祉士、月8万円の処遇改善」をどう考えるか【新政策パッケージ】

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こんにちは、yuです。

ここの所バタバタしておりまして、更新が滞っていました。申し訳ございません。

さて、今更感もありますが12月8日に閣議決定された「新しい政策パッケージ」について。

リンク:経済対策等 : 経済財政政策 - 内閣府

この中では、介護人材の確保を目的に、勤続10年以上の介護福祉士を対象に月額8万円の処遇改善を行う方針が示されました。

これに対する世間の反応は様々ですね。

私の感想を一言で表すなら「賃上げは妥当。しかし『勤続10年以上〜』は余計なお世話」という感じです。

今回はこの事について語らせていただきます。

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上司と部下の溝が永遠に埋まらない理由を、分かりやすく説明する

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介護施設では(一般的な会社でも)、上司と部下の溝はつきものです。

特に現場を離れた上司現場業務に入るスタッフとでは、お互いの不満を陰で言い合っている事は珍しくないでしょう。

現場職員
「どうせ現場のことなんて知らないくせに、好き勝手言いやがって!」

上司
「俺が現場にいた頃はこのくらいやっていた、やる気が足らん!」


どちらも立場の違いを利用して文句ばかりを言うのは、あまり建設的とは言えません。

こうした事が起こってしまうのは、あるすれ違いが原因です。

今回は、人材育成の基本的な考え方を一つの図で簡潔に説明します。この考えを上司も部下も理解していれば、今よりは信頼関係を築けるようになるかもしれません。

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成長できる人が必ず持っている資質と、それを活かすための教育プログラムとは?

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こんにちはyuです。

今回は、接遇やサービスマナーに関する人材育成についてです。

どのような仕事でも、ある程度経験を重ねた人であれば必ず後輩や部下を持つようになります。

組織の目標を達成するために、より良いサービスを提供するために、部下を教育をしていくことになるわけですが、人材育成は私も含め多くの人が悩まされる永遠の課題なのではないでしょうか。

これまで多くの方と接してきて、上司の指導力に関わらず、成長できる人とできない人の決定的な差(資質)がなんなのかが見えてきましたので、今回はそのお話をさせて頂きます。

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自然死は苦しくないらしい、延命治療や延命介護さえ行わなければ…【看取り・死生観の授業9】

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今回は看取り介護についてです。

以前私は、無理やり食事介助は時代遅れですし、利用者を苦しめるだけだという主旨の記事を書きました。

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終末期における無理な栄養・水分摂取は、心不全、痰がらみ、肺水腫などを悪化させる原因にもなりますし、穏やかな旅立ちを邪魔する(業界用語でいうならQOLを低下させる)事になります。

とはいえ、食事が取れなくなって亡くなるということは即ち餓死ですから、その事に対して「本当に大丈夫だろうか?利用者を苦しめるのではないか?」と怖い気持ちになるのも解ります。

今回は、自然死が実はそんなに苦痛を伴わないと言われている、そのメカニズムをご紹介します。

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職員同士のトラブル、公平なジャッジは可能か?【後編】

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前回の続きです。

前回は、職員同士のトラブルを仲裁やジャッジをするのに、証拠頼りになり過ぎてもいけないですし、上司としては日頃の部下の言動を観察しておきましょう。ジャッジされる側も、信用されるかどうかは日頃の行いが大切ですよ…と言うお話でした。

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仲裁に入る場合、事実関係の見極めや人の見極めがとても大切なわけですが、今回は私が普段どのような所で人の信用度を見ているか、指導する際の出口戦略、その他留意点などについて書いていきます。

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職員同士のトラブル、公平なジャッジは可能か?【前編】

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こんにちは、yuです。

職場で時々おこる職員同士のトラブル。

人間ですから、ちょっとくらいの不仲は全然良いのですが、それが嫌がらせなどに発展して仕事に支障をきたすようだと考えものです。

私も中間管理職のような立場上、よく仲裁に入ることがあります。

難しいのが、言った言わないの水掛け論。当事者同士の問題で証拠がない場合、お互い(あるいは片方)自分に都合の良いストーリーを語ります。保身のために平気でウソもつきます。

証拠がないから注意できない、罰することができない。

私としては組織的に対処したいのですが、上に上申した時に「証拠がないから」と尻込みされてしまい、身動きが取れない時があるのです。

しかしそれでは嫌がらせをやったもん勝ち、やられた方は我慢するしかない…

そんな組織じゃ嫌じゃないですか⁉︎

今回は職員同士のトラブルと、それをどうジャッジしていくのかというお話です。

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