こんにちは、yuです。
職場で時々おこる職員同士のトラブル。
人間ですから、ちょっとくらいの不仲は全然良いのですが、それが嫌がらせなどに発展して仕事に支障をきたすようだと考えものです。
私も中間管理職のような立場上、よく仲裁に入ることがあります。
難しいのが、言った言わないの水掛け論。当事者同士の問題で証拠がない場合、お互い(あるいは片方)自分に都合の良いストーリーを語ります。保身のために平気でウソもつきます。
証拠がないから注意できない、罰することができない。
私としては組織的に対処したいのですが、上に上申した時に「証拠がないから」と尻込みされてしまい、身動きが取れない時があるのです。
しかしそれでは嫌がらせをやったもん勝ち、やられた方は我慢するしかない…
そんな組織じゃ嫌じゃないですか⁉︎
今回は職員同士のトラブルと、それをどうジャッジしていくのかというお話です。
[目次]
1 . 女性職員に恫喝した男性職員の事例
例えば過去に、こんな事例がありました。
ある日の事です。女性職員Aさんからこんな相談を受けました。
後輩男性職員Bさんと遅番で仕事をしていた時のこと、Aさんのちょっとした仕事上の声かけが、Bさんには『注意された、プライドを傷つけられた』と癇に障ったらしく、Bさんはものすごい剣幕でAさんに詰め寄り「お前俺に向かってその口の聞き方はなんだよ!」と怒鳴りつけたのです。
時間は夜の9:00過ぎ、職員はこの二人しかいない薄暗いフロア、Aさんはあまりの勢いに殴られるのではないかと恐怖を感じていました。
Aさんには、上司として正式に間に入ることの許可をもらい、この問題に組織として関わっていくことになりました。
① 双方から聞き取り調査
まず初めに、双方の職員から聞き取りを行います。
そうすると、当然のことながら双方の言い分が違います。
男性職員Bさんの言い分は「自分はそのような言い方はしていない、Aさんが被害妄想的になっているのではないか」という具合です。
その場にいたのは当事者の二人だけ、どちらの言い分にも証拠がない中で、組織としてはどのように対処するべきでしょうか。
② 男性職員Bさんの日頃の仕事ぶり
Bさんは普段から、焦りやすい、キレやすい、自分の思いを押し付けた介護をしがち、男尊女卑、上司にはものすごくへり下る、介護経験が長いためウチの施設では新人だが職場の先輩のいうことを聞かない、などの性格が少しずつ見られていました。
今回の問題が発生した時「懸念していたことが最悪の形で出てしまった」というのが私の率直な感想でした。
③ 組織はどう対応したか
まず初めに、Bさんには1週間出勤停止を命じました。
暴力性を感じさせる職員を、他の職員と迂闊にシフトに入れることは出来ないですし、勤務調整するにしても時間が必要だったからです(しかしこの出勤停止命令は私の独断で行ったので、上司からはものすごく怒られました)。
その後、Bさんには日中の職員が多くいる時間帯のみのシフトに入ってもらい、機を見て別のフロアに異動してもらいました。
双方の言い分が違う事は承知の上で、Bさんには以下のように指導しました
- 先輩職員に対して「お前」や「口の聞き方云々」などの不適切な言葉遣い
- そのつもりがなかったとしても、暴力を感じさせ、恐怖心を与えた
これらについては反省するべきではないか。
Bさんは上司である私には反省の弁を述べました。しかしAさんに対しては真摯な謝罪は最後までみられませんでした。
異動先で新たに人間関係を構築しやり直すことが出来れば良かったのですが、結局そこでも似たような問題を起こし、再び何度も注意や面談を繰り返しました。最後は自ら辞めていきました。
2 . 公平なジャッジは可能か
この事例ですが、私は公平にジャッジをしていたかどうかと言われると、否だと思います。
証拠がない中で、明らかに女性職員Aさんに有利な判断をしています。
それはなぜか?
判断の基準は、二人の普段の仕事ぶりです。
先にあげたように、Bさんにはこうした問題が起こりうるであろう兆しが普段の様子から見ても明らかだったのです。
また、男対女では生まれながらの腕力に差があります。暴力を背景に女性を萎縮させるようなことをしてしまっては(本人にそのつもりがなくても)アウトです。
変わって女性職員Aさんは、普段から誰とでも分け隔てなく接する、裏表のないとてもさっぱりした性格の人でした。
どちらの言うことを信用するか…物証はないながらも日頃の行いが明暗を分けました。
3 . なんのための上司か
証拠がないから身動き取れない…これってすごくバカバカしいことだと思います。
何のために普段上司は現場を見て、色々なところに目を配り、観察しているのでしょうか?
物証がないから判断ができないでは、普段何も見ていないのと同じです。上司としている意味がないです。
日頃の行い、日頃の信用の積み重ね…
そんな言われてみれば当たり前のような事さえも判断できないのでは、困ったものです。
そういえば以前こんな記事を書きました▼
その中にあって、分かりやすい方法論があって、やった結果を数値で表せるこの方法は、介護関係者の心に響きます。 それが徐々に暴走し、「総合的に判断する」「自分の目で見て自分の頭で考える」ことを忘れさせ「これさえやっていれば間違いないはずだ」になっていくのです。
「おむつゼロ運動」に見る、大衆心理の危険性 - Sow The Seeds
もっと自分の目で見て考えて、人としてごく普通の感覚や判断を尊重してあげても良いのではないでしょうか。
今回はここまで!
【後編】ではもう少し具体的な判断基準や、いくつかの対処パターンなどを書いていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!