介護施設では(一般的な会社でも)、上司と部下の溝はつきものです。
特に現場を離れた上司と現場業務に入るスタッフとでは、お互いの不満を陰で言い合っている事は珍しくないでしょう。
現場職員
「どうせ現場のことなんて知らないくせに、好き勝手言いやがって!」
上司
「俺が現場にいた頃はこのくらいやっていた、やる気が足らん!」
どちらも立場の違いを利用して文句ばかりを言うのは、あまり建設的とは言えません。
こうした事が起こってしまうのは、あるすれ違いが原因です。
今回は、人材育成の基本的な考え方を一つの図で簡潔に説明します。この考えを上司も部下も理解していれば、今よりは信頼関係を築けるようになるかもしれません。
[目次]
1 . 人材育成の基本
会社にとって最も望ましい状態…
それは「スタッフ一人ひとりが気持ちよく仕事ができ、それによって最高のパフォーマンスを発揮してくれる事」です。
そこで私は、例え話として以下のような図を参照します▼
職員一人ひとりがランナーであり、主人公です。
気持ちよく、より速く(最高のパフォーマンス)走ってもらう事が願いであり、それをサポートし導いていくのが上司たる者の使命です。
ランナーに例えるとよく分かるのですが、最高のパフォーマンスを発揮するためには、2つのアプローチが必要です。
- トレーニング
スポーツで言うなら筋トレ、走り込み。仕事で言うなら日常の指導や教育、勉強など、職員自身の能力を向上してもらうための取り組みです。 - 環境整備
職員がいくら頑張っていても、それだけでは不十分。その能力を最大限発揮できるような環境が必要です。
砂利道を裸足で走らせるような事はしてはいけません。
休息もなしに根性論で走らせ続けることも出来ません。
働きやすくするための道具や環境、人員配置、仕事にまつわる様々な仕組みを整えていく必要があります。
2 . 上司と部下の溝が埋まらない理由
ここまでで説明した2つのアプローチ、「トレーニング」と「環境整備」。
上司と部下のすれ違いは、この2つの視点のすれ違いです。
未熟な上司は、環境整備を疎かにしたまま現場スタッフに地力を鍛えることばかりを求めて文句を言います。
現場スタッフも、自らのトレーニングを放棄したまま上司が環境整備をしてくれないことに文句を言い、悪い事はなんでも上司のせいにします。
簡単なことを言っているようですが、このすれ違いが実に多いこと…
お互いに努力が必要であることを理解しなくてはなりません。お互いに完璧でないことを認め、切磋琢磨するような信頼関係が築ければ理想です。
繰り返しますが、どちらにも努力が必要なのです。
文句を言い合っても何も進歩しませんしね。