Sow The Seeds

介護の現場から リーダーのためのブログ

自然死は苦しくないらしい、延命治療や延命介護さえ行わなければ…【看取り・死生観の授業9】

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今回は看取り介護についてです。

以前私は、無理やり食事介助は時代遅れですし、利用者を苦しめるだけだという主旨の記事を書きました。

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終末期における無理な栄養・水分摂取は、心不全、痰がらみ、肺水腫などを悪化させる原因にもなりますし、穏やかな旅立ちを邪魔する(業界用語でいうならQOLを低下させる)事になります。

とはいえ、食事が取れなくなって亡くなるということは即ち餓死ですから、その事に対して「本当に大丈夫だろうか?利用者を苦しめるのではないか?」と怖い気持ちになるのも解ります。

今回は、自然死が実はそんなに苦痛を伴わないと言われている、そのメカニズムをご紹介します。

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職員同士のトラブル、公平なジャッジは可能か?【後編】

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前回の続きです。

前回は、職員同士のトラブルを仲裁やジャッジをするのに、証拠頼りになり過ぎてもいけないですし、上司としては日頃の部下の言動を観察しておきましょう。ジャッジされる側も、信用されるかどうかは日頃の行いが大切ですよ…と言うお話でした。

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仲裁に入る場合、事実関係の見極めや人の見極めがとても大切なわけですが、今回は私が普段どのような所で人の信用度を見ているか、指導する際の出口戦略、その他留意点などについて書いていきます。

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職員同士のトラブル、公平なジャッジは可能か?【前編】

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こんにちは、yuです。

職場で時々おこる職員同士のトラブル。

人間ですから、ちょっとくらいの不仲は全然良いのですが、それが嫌がらせなどに発展して仕事に支障をきたすようだと考えものです。

私も中間管理職のような立場上、よく仲裁に入ることがあります。

難しいのが、言った言わないの水掛け論。当事者同士の問題で証拠がない場合、お互い(あるいは片方)自分に都合の良いストーリーを語ります。保身のために平気でウソもつきます。

証拠がないから注意できない、罰することができない。

私としては組織的に対処したいのですが、上に上申した時に「証拠がないから」と尻込みされてしまい、身動きが取れない時があるのです。

しかしそれでは嫌がらせをやったもん勝ち、やられた方は我慢するしかない…

そんな組織じゃ嫌じゃないですか⁉︎

今回は職員同士のトラブルと、それをどうジャッジしていくのかというお話です。

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暴れる利用者と身体拘束の問題。悩んでいる介護士さん、管理職さんへ

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とあるブログで、このような記事を見つけました。

www.kaigosos.com


要約すると


  1. 認知症ゆえ歩き回り転倒や異食を繰り返す利用者がおり、現場は対応に苦慮し疲弊していた。マンツーマン対応にも限界がある。

  2. 会議にて、限界だと上層部に訴えるも真剣に取り合ってもらえず、結局現場に対応は投げっぱなしにされていた。

  3. 現場としては致し方なく、夜間、利用者をシーツで車椅子に縛り(身体拘束)対応した。結果的に事故は減った。

  4. しばらくして、この身体拘束が上層部の耳に入り施設内で問題に。

  5. 上層部からは「現場が勝手になんて事をしてくれたんだ!」と言うリアクションであった。

  6. 対策として、夜間に準夜勤職員を配置する事となった。


という内容です。

こうした事って、どこの施設でも起こり得ますよね。ただ、こうした出来事を「上層部のせい」とか「介護職は悲惨」とか、不満や絶望で終わらせて欲しくないと言うのが私の思いです。

だって、こうした事はこれからもなくならないし、愚痴ったところで何も解決しないから。

実際にこのような場面に遭遇した時に、現場はどうしたら良いのか。マネジメント層はどうしたら良いのか。今回はその事を考えていきたいと思います。

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『死』について、利用者と腹を割って話したとき・・・の話し【死生観の授業8】

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こんにちは、yuです。

皆さんは、施設を利用するお年寄りと「死」について、本音で語らったことはありますか?

死というとネガティブなイメージが先行して、タブー視されている雰囲気があります。下手な事言って相手を傷つけてもいけないですし、思わず口をつぐんでしまいがちです。

私もそう簡単に利用者や家族に口にすることはありませんが、ちょっとしたキッカケがあって、過去に腹を割って話した経験があります。

自分にとっては「話ができて良かった」と思えた大切な体験だったので、今回はその時の事をお話します。

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私が部下の残業届を書く理由

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こんにちは、yuです。

なんだか最近、残業シリーズみたいになってしまって申し訳ありません。残業にまつわる話はひとまず今回で最後にしたいと思います。

関連過去記事▼


ウチの施設の場合、残業届は申告制です。

各自が残業する必要があると判断した時に、上司に届出を持って申告します。申告のないものは、無かったことにされることもよくあります。

前回の記事でも述べたように、届出を出した時に嫌な顔をする上司がいたりするのも確かで、中々申告しづらいというのが多くの人の心情ではないでしょうか。

私はよく部下の残業届を書いて印だけ押してもらう(毎回ではないですが)ということをするのですが、今回はそれをする理由について…

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「残業する権利」という考え方もある

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これまでにも、残業に関する記事をいくつか書かせていただきました。

過去記事▼www.sow-the-seeds.com

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残業は少ない方が経営的にも働く人の健康的にも良いことは今更言うまでもありません。

ですが私は「残業=悪」とも思っていません。

仕事って、必ずしも毎日同じ量、同じ作業ではありませんから、基本8時間勤務であったって、6時間分の仕事量で終わっちゃう日もあれば10時間仕事しなければ終わらない日もあります。

残業をするにせよ、しないにせよ、働く人自身がもっと主体性を持って働けば気持ちいいよと言うのが今回のお話です。

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