こんにちは、yuです。
介護施設である程度経験を重ねた介護士は、フロアの介護士を束ねる役、即ち「リーダー」という役職がつきます。
いち介護士からリーダーへの立場の変化。何をどのようにすれば良いのか戸惑う職員さんも多く、大体の人が苦戦を強いられます。
リーダーとなる人に教えたい事、学んでもらいたい事は色々とありますが、今回はそのうちの一つ、私がリーダー職員(あるいはリーダー候補)に課すリーダーになるための練習方法をご紹介します。
[目次]
1 . 役職と役割は違う
はじめに念を押しておきたいのですが、役職がついたからと言って「リーダーになれた」とは言えません。
目標を見定め皆を導く力、皆のモチベーションを高める力、皆の意見を汲み取る力、様々な意見から合意形成を行う力、実際の業務の仕組みに落としこむ力、立場の違う上下左右のハブになる力、より良いサービスの質を結果として出す力・・・
これらを兼ね備え、実際の仕事に反映できるようにならなければいけません。
例えば勤務表の作成など、「これがリーダーがやってた仕事だから」と与えられた作業をこなしているだけでは、いち事務員に過ぎませんし、リーダーという肩書きも形だけのものとなってしまいます。
リーダーの役割を発揮するという心構えが必要ですし、そのために自己研鑽に励む事が欠かせないのです。
参考過去記事▼
2 . なぜ一方的なリーダーシップでは人は動かないのか
リーダーをしていると、職員に対して「もっとあーしてほしい、こうしてほしい」「あれがダメだ、これがダメだ」「あーしなさい、こうしなさい」、色々不満もたまると思います。
しかし、支配型リーダーシップが介護の現場でうまく機能している例を私は知りません。どちらかと言うと、サーバント型のリーダーシップの方が馴染みが良い気がしています。
参考外部リンク:NPO法人日本サーバント・リーダーシップ協会
① 様々な立場の人がいるから
介護現場で支配型リーダーシップがうまくいかない理由。
それの原因は、介護現場には年上の部下、自分より介護経験の豊富な部下、正社員の人、パートの人、様々な立場の人が混在しているというところにあります。
ほとんどの人が新卒採用、正社員、年功序列といったわかりやすい上下関係の会社でもない限り、それぞれの立場の人を尊重する必要性が出てきます。
② 自分は特別じゃないから
リーダーになる人は「全人的に人より優れているからリーダーになる」のではありません。
リーダーに抜擢されるだけの長所がある事に疑いはありませんが、それはその人の長所の一つに過ぎなくて、何も特別な訳ではありません。弱点も当然あります。
人は感情の生き物です。
一方的に命令をしたって「いや、お前も色々ダメなところあるじゃん」と真摯に受け入れてくれないものです。
様々な立場の人が働く職場、みんな自分より優れたところや自分にはない気づきを持っています。それを尊重する事はもちろん、活用しないのは勿体無いという事です。
「自分だけが気づいている」と言う考えは傲慢です。
自分に見えていないところが、皆それぞれに見えているという謙虚な気持ちを忘れないようにしたいですね。
3 . リーダーになるための練習『 1 . 2 . 3 』
前置きが長くなって申し訳ありません。ようやく本題です。
役割としてリーダーになるための練習、それは…
- 聞く練習
- 巻き込む練習
- 任せる練習
の3ステップになります。
では詳しく説明していきます。
① 聞く練習
部下に聞く事…これは「分からないから聞く」と言う意味ではありません。
問題意識を共有するために聞くのです。
先ほどのスライドにもあるように、あなたが気づいている視点というのはあなただけの視点ですから、皆はあなたの考えを知りません。
もっとあーしたい、今これがしたい、〜についてこう考えている等々…
その気持ちを命令で部下に伝えるのではなく、質問形式で投げかけます。
そのようにする事で、部下は自分の考えを表明できるだけでなく、リーダーの考えを共有する事ができるようになります。
また、質問形式にすると命令口調でなくなるので、言われた方が否定されたような感情を抱かなくて済みます。
※実際の例ですが、私がよくこのブログで問題に挙げている『無理やり食事介助』について。普段から意識してこのような方法で部下と話をするようにしています(私は今の部署に配属されて2年目、なかなか急激な変革は気を使います。下手にやるとこれまでベテランさんがしてきたことを一方的に否定することになりますから)。
② 巻き込む練習
聞くことで部下と問題意識が共有できたのなら、もうその人は赤の他人ではありません。
これまで「私一人が考える問題」だったものが「あなたと一緒に考える問題」になります。
これを行なうことで少しずつ同じ問題意識を持った人を増やしていきます。
③ 任せる練習
問題意識を共有し、いよいよ行動を起こすにあたっての作業が必要な場合、自分一人でやらないことも大切です。
作業量が多く自分ひとりだと滞ってしまうような作業も、分担し任せる事で思わぬスピードで達成できる事があるからです。
また、部下に組織の問題を自分ごとと捉えてもらい、参画してもらう意味でも、自分一人で全ての作業を行う事はオススメできません。
皆んなで達成し、互いに労えれば気持ちいいですしね。
※ただし、なんでもかんでも任せすぎには注意が必要ですが…
4 . さいごに
リーダーの立場は孤独です。
孤独であるがゆえに、段々と自らの考えばかりが先行し、固執し、孤立してしまう事があるのです。
このブログを見て下さったリーダー的立場にある皆さん、最近職員さんとどんな仕事の話をしましたか?相談をしましたか?自ら質問をして話を聞きましたか?
ここまで説明した
- 聞く練習
- 巻き込む練習
- 任せる練習
一度立ち止まって、この一連の流れをぜひ意識してやってみて下さい。
目から鱗が出るような意見が出たり、思いも寄らない協力が得られたり、部下の思わぬ成長や長所を目の当たりにするかもしれませんよ。
また、この一連の流れを繰り返し行うことで、そのリーダーの存在感やリーダーシップは確実に向上します。少しずつ仕事もやりやすくなると思います。
冒頭にも言ったように、私はこの3ステップを部下のリーダー職に課題としてやってもらう事があります。しかし偉そうなことを言っておいて「私も全然できてないよなぁ。」という反省も込めて、今回のお話を終わりにします。
最後まで読んで頂きありがとうございました!