Sow The Seeds

介護の現場から リーダーのためのブログ

介護関係

バイタリティに溢れたリーダーが組織をダメにする理由

こんにちは、yuです。皆さんは理想のリーダー像といったものを考えた時に、どのような人を思い浮かべますか?例えば、田中角栄、スティーブ・ジョブズ、孫正義など、歴史に名を残す著明なリーダーたち…いずれもバイタリティ溢れる、間違いなく優れたリーダー…

【再掲】長時間夜勤施設が90%超、16時間夜勤が減らない本当の理由 

16日の日経新聞に掲載されたこちらの記事▼ 介護施設の約7割が、16時間以上勤務する2交代制の夜勤シフトを取り入れていることが16日、日本医療労働組合連合会(医労連)の調査で分かった。人手不足が深刻化するのに伴って、2交代制は増加する傾向にある。…

なぜ介護士と看護師の溝は埋まらないのか?

介護業界において、職種間の溝、職種間の争いは避けて通れません。多職種が協力してケアにあたる…その原則は誰もが理解しているにも関わらず、それでも互いの悪口、陰口、不満を言い合って争いが耐えないのが常です。今回は特養を舞台に、どうしてこのような…

「理想と現実のギャップ」との付き合い方【新人介護士向け】

こんにちは、yuです。4月になりましたし、社会人なりたて、入社したて〜2年目くらいまでの方々にメッセージを送りたいと思います。この仕事をしていると「想像していたのと違う」とか「本当はもっと利用者に寄り添った仕事がしたかった」とか、組織に対する…

介護施設が『無理やり食事介助』をやめる方法【後編】

こんにちは、無理やり食事介助が大嫌いなyuです。介護施設が『無理やり食事介助』をやめる方法、前編では「なぜ無理やり食事介助が起こってしまうのか?」、その複合的な要因について解説しました。 後編では、実際にそれを起こさない施設になろうとした時に…

介護施設が『無理やり食事介助』をやめる方法【前編】

スポーツの世界で暴力的な指導がなくならないように…介護施設で虐待事件がなくならないように…介護施設における『無理やり食事介助』もまた、起きてはならない事と解ってはいても中々なくならない現象の一つです。もっとも、先の二例と比べた時に『無理やり…

介護における「マズローの欲求5段階説」、より実用的な解釈について

アブラハム・マズロー氏による自己実現理論「欲求5段階説」については、ご存知の方も多いと思います。人材育成や社会人のキャリア形成など、様々な場面で参考になる考え方として使用されています。介護分野においては介護福祉士の試験でも出題されるように…

「介護主任が常に現場に入っている施設」は危険

3月になりました。多くの職場では平成30年度の人事異動や昇格などが発表され、新たな組織編成の準備に追われているところではないでしょうか。ところで、介護施設によくある役職と言えば「介護主任(あるいは主任介護士)」いつも思う事ですが、この役職の働…

『排泄予知ウェアラブル・DFree』は世界を変えられるか

こんにちは、yuです。大変お恥ずかしい話ですが、私はトイレが近いのが悩みの一つでして、将来介護される身になった時に、きっと介護士さんには迷惑かけるだろうなーと、今からそんな心配をしています。そんな折に目に留まったこちらのニュース▼ 以下、記事…

特養における通院付き添いに、加算をつけてくれませんか?

こんにちは、yuです。今年の介護報酬改定について調べていて、ふと思い出したのですが、入居者さんが体調不良の時に行う通院の付き添いについて。これって完全にマンツーマン対応ですから、けっこう大変なんだけど…というのが今回のお話しです。

長時間夜勤施設が90%超、16時間夜勤が減らない本当の理由

先日、このようなニュースがありました▼ 日本医療労働組合連合会が9日に公表した介護施設の夜勤に関する調査の結果 −− 。厳しい長時間労働になりやすい2交替制をとっている施設が、全体の92.5%にのぼると報告されている。前年から2.3ポイント上昇。このうち8…

「自立支援の取り組みに対するインセンティブ」に関する論争について

先日投稿したこちらの記事について▼www.sow-the-seeds.com 色々誤解も生みそうなので少し補足をさせていただきたいと思います。前回私が否定的な書き方をした、おむつ外しや自立歩行の促し等、いわゆるADLの維持向上に資する取り組みに対して報酬加算を行う…

医療と介護の違いを国もあまり分かってないから迷走する【平成30年度 介護報酬改定】

こんにちはyuです。1月はブログお休みしておりまして今年初めての投稿になります。今年もよろしくお願いします!さて、1月26日、第158回社会保障審議会より平成30年度の介護報酬改定の全容が明らかにされました。 www.mhlw.go.jp 介護報酬は全体で0.54%のプ…

人はなぜ生きていられるのか【安楽死の是非について】【死生観の授業10】

12月24日に放送された「TVタックル(テレビ朝日系)」で、安楽死に関するテーマを取り扱っていました。安楽死に関する本も出している、脚本家の橋田壽賀子氏をゲストに迎え、様々な意見が交わされていました。 安楽死で死なせて下さい (文春新書) 作者: 橋田…

「勤続10年以上の介護福祉士、月8万円の処遇改善」をどう考えるか【新政策パッケージ】

こんにちは、yuです。ここの所バタバタしておりまして、更新が滞っていました。申し訳ございません。さて、今更感もありますが12月8日に閣議決定された「新しい政策パッケージ」について。 リンク:経済対策等 : 経済財政政策 - 内閣府この中では、介護人材…

上司と部下の溝が永遠に埋まらない理由を、分かりやすく説明する

介護施設では(一般的な会社でも)、上司と部下の溝はつきものです。特に現場を離れた上司と現場業務に入るスタッフとでは、お互いの不満を陰で言い合っている事は珍しくないでしょう。 現場職員「どうせ現場のことなんて知らないくせに、好き勝手言いやがっ…

成長できる人が必ず持っている資質と、それを活かすための教育プログラムとは?

こんにちはyuです。今回は、接遇やサービスマナーに関する人材育成についてです。どのような仕事でも、ある程度経験を重ねた人であれば必ず後輩や部下を持つようになります。組織の目標を達成するために、より良いサービスを提供するために、部下を教育をし…

自然死は苦しくないらしい、延命治療や延命介護さえ行わなければ…【看取り・死生観の授業9】

今回は看取り介護についてです。以前私は、無理やり食事介助は時代遅れですし、利用者を苦しめるだけだという主旨の記事を書きました。 www.sow-the-seeds.com 終末期における無理な栄養・水分摂取は、心不全、痰がらみ、肺水腫などを悪化させる原因にもなり…

暴れる利用者と身体拘束の問題。悩んでいる介護士さん、管理職さんへ

とあるブログで、このような記事を見つけました。 www.kaigosos.com 要約すると 認知症ゆえ歩き回り転倒や異食を繰り返す利用者がおり、現場は対応に苦慮し疲弊していた。マンツーマン対応にも限界がある。 会議にて、限界だと上層部に訴えるも真剣に取り合…

『死』について、利用者と腹を割って話したとき・・・の話し【死生観の授業8】

こんにちは、yuです。皆さんは、施設を利用するお年寄りと「死」について、本音で語らったことはありますか?死というとネガティブなイメージが先行して、タブー視されている雰囲気があります。下手な事言って相手を傷つけてもいけないですし、思わず口をつ…

勤務表を作るということは権力である【作成時のマイルール】

以前書いたこちらの記事▼リーダー的立場の人に必要な「公平性」や「規律」について色々語った記事です。www.sow-the-seeds.com 役職が上がると、自分でも知らず知らずのうちに権力や既得権を持つようになります。この権力を無自覚に誤った使い方をしないよう…

「私は自らを身体拘束していた⁉︎」介護施設の実地指導にまつわるクダラナイ話

実地指導。2〜3年に1回、都道府県の職員が介護施設に赴き、会計上の事や介護報酬請求の事、サービス内容の事など、適正に運営がされているのかチェックしに来ます。うちの法人も今年度は検査対象になってまして、先日無事に検査を終えました。介護保険の制度…

延命治療ってどんな事をするの?【死生観の授業7】

こんにちは、yuです。お年寄りが急な体調不良などで救急車を呼んだ時、救急隊から必ず聞かれることがあります。「延命はどうしますか?」うちの施設では入居時にいざという時の意向は聞いていますが、入居してしばらくすると古い情報になるため、このような…

『寄り添うケア』は皆を惑わせる呪文

寄り添うケアがしたい!寄り添うケアが出来ない!寄り添うケアをしなさい!介護の世界でよく聞くこの言葉。合言葉のようになっています。この業界に入ったばかりの人は「こんなはずじゃなかった。もっと寄り添うケアがしたかった」と嘆きます。管理監督する…

ある戦略的には「従来型施設の方が新しい」のかもしれないという事実【ユニット型か従来型か】

従来型施設かユニット型施設か・・・利用者にとってどちらが良いのか、働く人にとってどちらが良いのか、国のあり方としてどちらが良いのか・・・これは日本の介護施設の抱えるテーマの一つでもあります。様々な視点からメリットデメリットを論じることが出…

介護現場を数字でマネジメントしてみよう【入浴介助の適正人数の計算】

こんにちは、yuです。ここのところ公私ともに慌ただしくしておりまして、久しぶりの更新となってしまいました。すみません!以前、介護現場を数字でマネジメントする方法として、勤務の組み方にまつわる記事を書きました ▼ www.sow-the-seeds.com 私が、しつ…

ヒト本来の寿命は50〜60歳という生物学的視点【書籍紹介・安楽死・死生観の授業6】

現在、日本における平均寿命は男性は80.79歳、女性は87.05歳。その昔、織田信長は「人生50年」と言ったそうですが、いま人生を50年と考えている人はほとんどいないでしょう。ある生物学者の方はこのように言っています。 サイズの生物学というのですが、大き…

介護施設に監視カメラは必要か【老健それいゆ、利用者死傷を受けて】

岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」で、7月末から5名の利用者が立て続けに死傷するという事故(事件?)がありました。 www.sankei.com 虐待が疑われている職員は、問題が公になる直前に退職をしたそうですが、その職員が白か黒かという事について…

戦力の逐次投入という愚策について(ユニットケアにおける人員配置)

「戦力の逐次投入」歴史や近代史に詳しい人であれば聞いたことがある人もいるかもしれません。軍事における言葉でして、良くない戦術の一つとして有名です。 失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫) 作者: 戸部良一,寺本義也,鎌田伸一,杉之尾孝生,村井…

「何人いれば足りるの?」介護現場を数字でマネジメントしてみよう。という話

こんにちは、yuです。この業界に身を置いていますと、皆「いかに良い介護をするか」という介護士個人の技術論に興味が偏りがちな印象を受けます。しかし介護のような労働集約型の仕事の場合、良いサービスを提供するためには「現場の労働力をどのように分配…