Sow The Seeds

介護の現場から リーダーのためのブログ

【介護施設】清拭タオルの管理方法に関する調査結果

f:id:sts-of:20190714020451j:plain

こんにちは、yuです。

皆さんがお勤めの介護施設では、排泄援助の時に使用する清拭タオルはどのようなタイプでしょうか?

私自身この辺の事情には詳しくなくて、調べてみると以下の3タイプが多いようです。

  • ① 不織布、使い捨て(ディスポーザブル)タイプ
  • ② 布タオル、自施設で消毒・洗濯
  • ③ 布タオル、業者に消毒・洗濯を委託

今回は、それぞれのタイプのメリット・デメリット、施設の傾向などを調べてみましたので、この場をお借りしてシェアさせて頂きたいと思います。

 

[目次]

 

 

1 . はじめに

  • ① 不織布、使い捨て(ディスポーザブル)タイプ
  • ② 布タオル、自施設で消毒・洗濯
  • ③ 布タオル、業者に消毒・洗濯を委託


私が所属する法人には3つの特養があります。2つの特養では①の使い捨てタイプを使用、私が勤めている特養では②、布タオルを自施設で消毒洗濯して使っています。

想像に難くないと思いますが、②は洗濯〜乾燥〜たたみ〜セッティングの手間はかかるのですが、何より安く済む。

これまで人員配置を厚く設定していた分、多少の手間はかかっても安い方を優先していたという事情があります。

ところが最近予定外の職員の退職がありまして、この手間がけっこうな負担に、多少お金がかかっても違う方法も考えた方が良いのかな?と検討しているところです。

そういえば、世の中他の施設ではどうしているのだろう?

とういうのが、今回の研究(それほど大げさなものではありませんが)のきっかけです。



2 . 医療施設の傾向

調べてみると、介護施設ではないのですが、医療施設に関する調査がありましたので、紹介させて頂きます。

国内医療施設を対象とした患者清拭タオルの管理に関する実態調査 / 鎌田 明 1,2菅原えりさ 11東京医療保健大学大学院 2社会医療法人母恋 天使病院
https://www.thcu.ac.jp/uploads/imgs/20170410025201.pdf 

こちらの調査は患者清拭タオルの現状(種類、方法、消毒等の規定など)を明らかにするために行われたもので、国内78施設が回答しています。

施設の規模、内訳については以下の通りです▼

f:id:sts-of:20190713231909p:plain

https://www.thcu.ac.jp/uploads/imgs/20170410025201.pdf

この調査にあった清拭タオルの種類の内訳を図に起こすと以下の通り▼

f:id:sts-of:20190714012000p:plain

業者委託が最も多く、次いで使い捨てタイプ、自施設洗濯、患者私物となっています。

私はこれまで業者委託している施設に務めたことがなかったので、このような傾向があるとは全く知らず、ちょっと意外でした(まぁこの調査は医療施設なので、介護施設とはちょっと違いますが)。



3 . 介護施設の傾向

では介護施設はどうなっているのでしょうか?

公式の調査などは見つけることができなかったので、ツイッターのアンケート機能を使って調べてみました。

なお、この調査では回答者の施設の形態(特養・有料・グループホームなど)や規模については分かりませんので、その点ご了承頂いた上で、一つの参考として見て頂ければと思います。

それがこちら▼

f:id:sts-of:20190714012022p:plain

使い捨てタイプと業者委託が拮抗、私のところみたいに自施設で行なっている所は少ないという結果に。

自施設での洗濯が少ないのは、手間だけでなく、衛生管理面の不安からという理由もあるかもしれませんね。



4 . 各タイプのメリット・デメリット

ツイッターでは、メリットデメリット等のご意見も頂きましたので、その内容もまとめます。

業者委託

業者委託とは、専門の業者とリユース契約を結び、定期的に業者が使用済みタオルを回収、消毒洗濯、納品してくれるというものです。

ちなみに私の法人では、シーツ類についてはこれに当たります。

メリットは、洗濯業務がないので手間がかからない、タオル生地なので温めると気持ち良い、便などもしっかり拭き取れる、契約の範囲内ならいくらでも気兼ねなく使える、ということでしょうか。

デメリットは、業者が回収に来るまでは自施設で保管しなければならないため臭いや衛生面に対する管理が必要、災害時など業者が来れなくなった場合に備える必要がある、コストが高いなど。


使い捨て(不織布)

メリットは、洗濯業務がないので手間がかからない、使い捨てなので最も衛生的。

デメリットは、布地ほど厚くないので便などを少ない回数でしっかり拭き取ることが出来ない、コストが高い、冷たいまま使用すると不快、温めても冷めやすいなど。


自施設で消毒洗濯

メリットは、タオル生地なので温めると気持ち良い、便などもしっかり拭き取れる、何よりコストがかからないということ。

デメリットは、消毒・洗濯などにかかる手間、それらの作業に伴う衛生面の不安。

あと使いまわしているとはいえ徐々に劣化はしますし、なぜか徐々に数が減ってもいくもので、補充に多少のお金はかかります。私のいる特養が今このタイプですが、調べてみたら補充のために毎年数万円かかっていました。



5 . どうやって選ぶか

どれが最も良いのかは施設によっても判断変わる部分で、コストと使い勝手の兼ね合いを見ながら考えていくしかないようですね。

一般論ですが、施設規模が大きい所や法人単位で大きな契約を結べる所などは使い捨てか業者委託、お金がかかってもその方が効率的になり易い。規模の小さい所では、そこにお金をかけるはあまり効率的でなく、自施設でやりくりした方が手間ではあるけど良いみたいです。

また使い捨てタイプの場合、そこにかかる費用を利用者から徴収できるか、これも施設形態によって事情が違います。


私個人的には使い捨てタイプが良いのですが、これも仕入れる銘柄をよく選ばないと、小さな不織布では全然キレイに拭き取れず何枚も使わなきゃいけないなんて事になったりもします。なるべく厚地、なるべく大判なものを選びたいです。

一般的に売られているものだと、こちらが参考になりそう▼
【介護や感染予防に!】清拭タオルのおすすめ人気ランキング10選 | mybest


ちなみに今法人の他特養で使っているのがこのようなタイプ▼

f:id:sts-of:20190714134943j:plain 

袋を一部開けて、清拭剤を入れてお湯を張ったところに沈めて濡らします、まとめてしぼって、ホットキャビに入れて温めて使います。広げると40×30cmくらいの大きさ。

参考までに費用ですが、この商品で一枚あたり9円。うちの施設規模(50床以上100未満)で年間100万円くらいはかかりそうです。


6 . さいごに

排泄委員会などがある施設では、紙おむつやパットの種類などについて介護職が一緒に考える場面もありそうですが、そうでもなければ大体は開設時に決まったやり方をなんとなくで踏襲しているのではないでしょうか。

サービスの質(衛生管理含む)・使い勝手・コスト、それぞれの兼ね合いを見ながら、時に経営層と現場が共同で、ケアに関する枠組みから見直してみるのも面白いかもしれませんね。

今回アンケートにご協力頂いた皆様のおかげで大変勉強になりました、ありがとうございました!この場をお借りして改めて御礼申し上げます。

オワリ