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【Google流】優れたマネジャーに必要な8つの要素

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優れたリーダーやマネジャーを発見し育成する事…

これはどの組織においても重要なテーマの一つであると言えます。

しかし業種による専門的な「技術」と違い、リーダーやマネジャーというのは「役割」であり、その人の人間性に依存するところが大きいです。

そのため、リーダーの選定・育成においてこれといった決定的な要因が社内で共有されず、「上司に好かれたアイツ」が出世し、稚拙なマネジメントやリーダーシップで現場を困らせる事も少なくありません。


世界的テック企業であるGoogleは、なんでも数値化したりデータを集めたり、研究することが大好きです。

そのGoogleにおいても「優れたマネジャーとはなんぞや?」というテーマは研究され、その結果は書籍を通じて公表されています(その結果は意外にも私たちに身近な内容となっています)。

今回は、Google流「優れたリーダーに必要な8つの属性」をご紹介します。

 

[目次]

 

 

 

そもそもマネジャーは必要か?

今回紹介させていただくお話は、こちらの書籍からの要約です。

ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

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良いマネジャーの定義

まずはじめに、良いマネジャーとは何だろうか?

グーグルでは以下の図を用いて、良いマネジャーを定義づけています。f:id:sts-of:20180614180025j:plain

「マネジャーに対するチームの満足度」「マネジャーの業績」、この2つの軸を指標にし、それぞれが高いほどに良いマネジャーであると考えます。

 

そもそもマネジャーは必要なのか?

ある程度規模のあるチームには、必ずと言っていいほどそれを指揮・管理するマネジャーが置かれます(役職名は様々ですが)。

グーグルでは、そもそもこのマネジャーというポストすら必要なのか否か、もしかしたら「マネジャーの質はチームの業績に一切影響しないのでは?」という仮説を立て、研究を進めました。

事実、これまでにもグーグルでは社内のマネジャーポストを廃止した事もありました(しかしこの試みはうまくいかず、6週間足らずで終わったそうです)。

エンジニアは通常、マネジャーはせいぜい必要悪だが、たいていは自分の邪魔をし、官僚主義を生み出し、物事を台なしにする存在と見なしている。


しかし、研究を進めた結果得られたのは、仮説を裏切る発見でした。

最高のマネジャーを擁するチームは業績も良く、離職率も低かった。実際マネジャーの質は社員が辞めるか残るかを予測する唯一にして最高の指標だった。

プロジェクト・オキシジェンは当初、マネジャーは重要ではないと証明しようとしたが、最終的には良いマネジャーが必須という結論になった。

 


優れたマネジャーの8つの属性

グーグルでは、アンケートや研究などの様々な手段を用いて、在籍するマネジャー職それぞれが、前述した図の、どの位置にいるのかを明らかにしました。f:id:sts-of:20180617181650j:plain

では最高のマネジャーは、そのほかのマネジャーと比べてどのような行動の違いがあるのか、それを明らかに出来れば、それは他者が真似ることのできる、人材育成における指針となり得るのではないか。

研究の結果、スコアの高いマネジャーにあって低いマネジャーには見られない8つの属性が浮かび上がりました。

  1. 良いコーチであること。

  2. チームに権限を委譲し、マイクロマネジメントをしないこと。

  3. チームのメンバーの成功や満足度に関心や気遣いを示すこと。

  4. 生産性/成果志向であること。

  5. コミュニケーションは円滑に。話を聞き、情報は共有すること。

  6. チームメンバーのキャリア開発を支援すること。

  7. チームに対して明確な構想/戦略を持つこと。

  8. チームに助言できるだけの重要な技術スキルを持っていること。

 

意外にも、皆どこかで聞いたことがありそうな文言が並びます。

とはいえ、これをバカにすることは出来ません。実際多くの仕事の現場では、マネジャーがこれらを意識して行動したり、リーダー・マネジャーの育成においてこれらの行動を伸ばすようトレーニングしたりすることはほとんど無いのですから。

無意識でいる事と、意識的に行う事とでは天と地ほどに差があるのです。



どのように伸ばすか

ここで明らかになった「優れたマネジャーに必要な8つの属性」。

問題は、これらをどのように伸ばしていくかと言うことです。


例えば

  • 属性毎の行動の具体例を洗い出し教育する。あるは個人・グループワークによって具体例を洗い出し共有する。

  • 項目に沿った形で研修プログラムを構築しリーダー層教育を行う。

  • リーダーは1日の終わりに、この8属性をチェックリストにし、自らの1日を振り返ってみる。

  • 部下達に、定期的にこの8属性に関するアンケートを行い、上司を評価してもらう。※実際、グーグルではこの方法を行っている。ただし、これはマネジャーの成長が目的であり、結果は報酬には影響しない。

  • 次のリーダーを登用する際の参考要件に、この8属性を加える。などなど…


このブログで全てを書き切ることは出来ませんが、少し考えただけでも方法は色々と浮かぶのではないでしょうか。



さいごに

良いマネジャーに求められる要件とは何か?

人によって考え方は様々ですが、グーグルの研究によって導き出されたこれらの8要素は、サンプル数も、内容的にも信ぴょう性が高く、どのような会社においても大いに参考になるのではないでしょうか。


さいごに脱線しますが…

一般的に組織というのは上層から下層へと教育が行われます。しかし、上層の人たちはいったいどこから、何を学び、自らのスキルや人間性を向上させているのでしょうか?f:id:sts-of:20180614233824j:plain

従業員をどう教育するかも大切だけれど、自分自身も精進すること、それも合わせて考えないと傲慢になりそうです。精進しないあぐらかいた人から何言われても説得力ないですもんね。

『世の中を治めたければ自らの家族を和合させること。家族を治めたければ自らの心・行動を修めること。』

 古典「大学」より。

大学・中庸 (岩波文庫)

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