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介護の現場から リーダーのためのブログ

組織図を見れば大体の問題がわかる【事例】

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こんにちはyuです。

唐突な問いかけですが、普段仕事をしている中で組織図って意識していますか?


このブログで私は組織マネジメントについてよく論じていますが、特に「組織図」については強い思いがあります。

これまで多くの組織内の問題事を見てきましたが、問題の要因が個々人の資質というよりは組織図の問題という事が非常に多かったのです。


組織図を作り込み、それを理解し活用する事は、組織マネジメントの基本です。しかしその重要性があまり意識されてない(私が見聞きした範囲では)今日…


今回は組織図の悪い例を2つ紹介しながら話をしていきたいと思います。

 [目次]

 

 

 

 

1 . はじめに

悪い2パターンとは何か、先にタネ明かしをしておきます。

  1. ツートップ体制
  2. 責任者不在体制


よく機能不全に陥っている組織に見られるのがこの2つです。

ではそれぞれに解説していきます。



2 . ツートップ体制

例えば同じフロアに主任が二人いるような場合です。

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本来役職者とは、その任された範囲における意思決定責任者です。意思決定が仕事です。

日々のことには大小様々な意思決定が求められます。その役割を担う者が二人いるとどうなるのか。例えば…


  • A主任は「良い」と言ったけどB主任は「だめ」と言う。どっちの言う事を聞けばいいんだ?

  • A主任に言った事がB主任に伝わっていない

  • A主任に先に言うとB主任がへそを曲げる

  • 主任同士の意見が違うから、決めたい事がなかなか決まらない


こんな事がよく起こるようになります。意思決定の権限を持つ者が複数名いるときに、組織は機能不全を起こします。

例えばサッカーでキャプテンが二人いたとして、ピッチで二人が違う指示を叫んでいたら周りの選手は困惑して立ち往生するでしょう。脳からの指令は一つでなければなりません。


なぜ役職者を複数名置くような事をするのか

役職者が抱える仕事は多岐に渡ります。仕事量も多いです。よく間違いを犯してしまうのは、この抱えている「作業」を役職者の仕事と勘違いしてしまっている時です。

「仕事量が多くて負担が大きい、A主任の仕事を処理する能力に不安がある、だからもう一人主任をつけてあげよう」と言うのです。

これは大きな間違いです。

役職者=意思決定責任者です。役職は「作業」ではなく「役割」なのです。



もう一つありがちなのが「長年勤めている職員が多くいて、時間の経過とともに役職がつき、実体のない名ばかり役職者が沢山いる」と言う組織です。

単に長年勤めた人への名誉と給与(手当)を保証するためだけに役職がついているパターンです。これも実にくだらないです。



3 . 責任者不在体制

私が勤めている介護施設の場合ですと、介護、看護、相談員など様々な専門職が横並びりなり、連携をとって仕事をしています。

これらの職種間には上下関係はありません。そして職種ごとに責任者がいます。


では職種間の連携において、互いの意見や方針が割れた時に、どうやって意思決定を導き出せば良いのか。

大抵の場合、部署長や施設長がこの意思決定の役割を担います。しかし施設によっては、この役割の者を置いていない(定義づけられていない、或いはいるけど機能していない)場合もけっこうあるのです。

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このような施設では職種間の連携がうまく取れず、職種間の軋轢や互いの不満も多くなりがちです。



4 . さいごに

一時期「フラットな組織」が流行り注目された事がありました。

参考▼

組織のフラット化 その実態は? | pro – the magazine for Merck employees.



確かに皆が平等に話し合い結論が導き出せるのならそれも良いかもしれませんが、それには膨大な時間と労力が伴います。また、責任の所在が曖昧になると言うリスクもあります。

必要以上に組織を階層化する必要はありませんが、考え抜かれた階層構造と正しく役割ごとに権限を移譲していれば、昔ながらの組織図は先人の知恵として十分役立つものです。


私は、職場は「職員一人一人が存分に走るためのグラウンド」だと考えています。気持ちよく走る(持てる能力を発揮し良いサービスに貢献する)ための環境を整備するのが私の仕事です。

組織図と意思決定のプロセスを作り込むことは、これを叶えるために絶対に疎かに出来ないポイントなのです。