Sow The Seeds

介護の現場から リーダーのためのブログ

「自分の目で見て、自分の頭で考えろ」を考えている今日このごろ【父の言葉】

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父の言葉シリーズ、第2回目です。

第1回目はこちら▼

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子供の頃、学校ではちょっとした事でイジメや悪口といったことが起こっていました。

私は根拠のない「あいつムカくよね?」という会話には同意することが出来ず、その場に馴染めない気持ち悪さを感じたものでした。

ターゲットにされた人をA君だとします。しかしA君は私に何も嫌な事をしていませんでしたし、私も恨む理由がありません。ですから一緒になって悪口を言うことは出来ませんでした。

そんな事を家に帰ってから父に話した時、いつも決まって言われた言葉がこれでした。


「誰々が言ってたからとか、そんなものは何の理由にもならない。自分の目で見て、自分の頭で考えろ」



大人になりマネジメント職になり、日々の意思決定が重要な仕事である今、改めてこの言葉を噛みしめる機会が多くなっています。

[目次]

 

1 . 仕事における決断力

私の仕事で何が最も重要かと問われた場合、『働く職員たちの人間性を見極め、適切な人員配置、適切な人材育成、適切な昇進昇格を行う』という事が一つ挙げられます。

介護施設の仕事は、良い施設を作る上で良い人間関係は欠かせません。能力はもちろん大切ですが、それ以上に人としての誠実さが大切です。誠実な人が働きやすい職場を作り、誠実な人がステップアップし皆のリーダーになって行くようにしなければなりません。


24時間体制で行っている仕事ですから、一見しただけでは分からない職員の能力、人間関係、人の裏表、微妙な力関係、仲の良さや不仲等があり、昇進一つ配置一つとっても意思決定には非常に気を使います。

意識してアンテナを張り巡らせ様々な情報が集まるような工夫をしていますが、同じ景色を見ているつもりでも、Aさんの言う事と、Bさんの言う事と、私の考えている事が合わないと言う事はしばしば起こり得ます。


時に何を信じたら良いのか分からなくなる時がありますが、最後は「自分の目で見て、自分の頭で考えろ」を思い出し、必要な決断を行なっています。



2 . 偏った情報収集には注意したい

人は、自分の見たいように世界を見ている。

例えば上司や他者を説得する際、既存の理論や前例を用いて理論武装をして臨む事があります。

しかし、自らの主張を裏付けるデータと同じくらい、自らの主張を否定するデータも探せば沢山出てくるものです。調べ物をする時も人から話を聞く時も、あえて反対側の意見、自分にとって耳の痛い意見にも留意する事が、公正な判断力を養う事になるのではないでしょうか。



3 . 権威や肩書きには注意したい

私の父は、一言で言うと『反骨の人』でした。

相手の権威や肩書きに惑わされず、自分が見たまま感じたままで人を判断する事に長けていました(自分で会社をやっていましたから、むしろ毛嫌いしていただけかもしれませんが)。

そんな父の姿勢は私に大きな影響を与えてくれました。私にはとてもカッコ良く見えました。

「何処何処の誰々が言ってたから」ではなく、「何を言ったか何をやったか」事実を冷静に見極め判断する事が大切です。


人間不思議なもので、普段は政治家や官僚をバカにしたり批判したりしていても、自分の身内にそういう人が現れると途端に自分のことのように誇らしげに語ったりします。権威の力と言うのは、普段意識する以上に、私たちの深層心理に影響を及ぼしています。

『権威への合理的でない服従』というと、ミルグラム実験が有名ですね。

リンク▼
ミルグラム実験 - Wikipedia




4 . 最適な解は、自分で見出すしかない

この世には、絶対唯一の解などない場合がほとんどです。

人生の決断も、仕事の決断も、勇気を出して自分で決めるしかないのです。その決断が正しかったのかどうかは、後の歴史にしか証明できません。

「自分の目で見て、自分の頭で考えろ」

ちょっと勇気の湧いてくる言葉です。父、ありがとう。