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メディアが言及すべき本当の論点とは【村田諒太 vs アッサン・エンダム】〜組織論の観点から〜

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5月20日のWBA世界ミドル級タイトルマッチ、村田諒太vsアッサン・エンダム戦の判定問題について。

その後、WBA会長ヒルベルト・メンドーサ会長が、自身の見解をツイート。各種メディアによる試合の分析。JBC(日本ボクシングコミッション)は抗議文をWBAに提出。他のボクサーやスポーツ関係者も各自の見解を述べるなど、議論を呼んでいます。

今回の出来事とその後の動向について、組織運営や経営の視点からも、私はとても注目しています。「どっちが勝ったか」という事以上に、メディアに本当に言及してもらいたい論点は別のところにあります。

 
[目次]

 

 

 

1 . 再検証、再判定の仕組みがあるのかどうか

人がジャッジをする限り、どうしても間違いは起こり得ます。

間違いが起こる事自体は、さほど大きな問題ではありません(もちろん、間違いが起こらないような仕組みや訓練をしていく事は必要だけれど)。

もっと大切な事は、「間違いかもしれない!」という疑問が上がった時に、それを再度検証する、必要とあらば判断を覆す仕組みと風土があるかどうかです。


  • WBAに、そのような制度があるのか
  • 過去にそのような事案はあったのか
  • 判定が誤りだった場合には、判定を覆す事もあり得るのか


そのあたりを、プロのメディア関係者には調べて頂き、言及して頂きたい。


WBA会長が再戦の意向を示唆していますが、選手の立場からすれば、この戦いのために、これまで長い時間と労力をかけて、やっとの思いで心身ともに仕上げて来ているのです。簡単に「じゃあ、もう一回戦えばいいや」とはなりません。再検証の末、やはり間違いだったとなるならば、試合の勝ち負けも覆る事があっても良いのではないかと思います。



2 . 間違いを指摘できない、検証できない、修正できない組織は危うい

今回の件はボクシングというスポーツの世界ですが、一般的なビジネスの世界においても、このような視点を持つ事は大切です。


  • 間違いかもしれない!と物言いができる
  • そうなった時、公正に検証できる。真実を直視できる
  • 間違いだった場合に認められる、修正できる


組織を運営する上で、こうした仕組みと風土を整える事。トップや管理職を始め上位者が普段から意識しておく事はとても大切です。

様々な歴史や過去の企業の失敗例を見ても、これが出来ていない事による失敗は非常に多いです。

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3 . さいごに

ボクシングに限らず、こうした事態というのは組織が成長するためには絶好のチャンスと言えます。仕組み(制度)が未熟なのであれば、それを整えるための動機になります。そうやって組織は進化していきます。

ここの対応次第で、信頼を厚くするか、失うかが決まります。


スポーツ選手の人生は、本当に綱渡りの人生です。全てをそこに捧げ、結果が出れば天国、結果が出なければ何も残せない。ギリギリの人生のせめぎ合い。そんな世界だからこそ、公正なジャッジが必要ですし、選手たちの努力に泥を塗るような事はなるべく起こってほしくないと思っています。

今後の動向を見守りつつ、少しでも良い結果となることを祈っています。


※ 2017/6/3 追記
再戦について。私は選手たちの苦労を思うと再戦には反対ですが、商売的には「再び稼げる機会が生まれる」との見方もあるようですね。経営的にはオイシイのかもしれませんが、誠実性を欠いた商売魂にはどうも釈然としません。私が青いだけでしょうか…