Sow The Seeds

介護の現場から リーダーのためのブログ

組織マネジメント

介護職の派遣、無資格未経験の是非について【介護現場マネジメントの観点から】

他業種の事情は分かりませんが、少なくとも介護に関して、未経験の派遣職員を入れる事業所は信用できないと私は思っています。否定批判のようなことはあまり言いたくないのですが、これも事業所の安定したサービス、安定した労働環境、延いては安定した経営…

ユニットリーダー研修の功罪

ユニットリーダー研修…というものがあります。これは、一般社団法人ユニットケア推進センターが行っているもので、ユニット型特養の職員(ユニットリーダー)を対象に、ユニットケアとは何か、それを実現するためにはどうしたら良いのかなどを学ぶものです。…

【介護施設】清拭タオルの管理方法に関する調査結果

こんにちは、yuです。皆さんがお勤めの介護施設では、排泄援助の時に使用する清拭タオルはどのようなタイプでしょうか?私自身この辺の事情には詳しくなくて、調べてみると以下の3タイプが多いようです。 ① 不織布、使い捨て(ディスポーザブル)タイプ ② …

新人職員の成長度合いが垣間見える3ステップ

こんにちは、yuです。新年度も早いもので丸3ヶ月が経とうとしていますね。4月から働き始めた新人職員も徐々に仕事を覚え、慣れてきた頃でしょうか。私は現在、特別養護老人ホームで主任介護士をしています。働き方としては5割が現場の介護業務、残りの5割…

介護施設における虐待問題を考察する【クローズアップ現代プラス】

6月4日(火)NHKのクローズアップ現代プラスで『介護施設“虐待死”なぜ?』と題した放送がありました。 www.nhk.or.jp 5月末に報道された介護付き有料老人ホームの入居者死亡事件を受けて、介護施設における虐待問題について取り上げたものです。 介護付き有…

【後編】「してあげる場」から「共に営む場」を目指して【特養】

前回の記事では、自立度高めのご利用者Aさんがキッカケで、より幅広いニーズに応えられる施設になるためにはどうしたら良いか考えている。そもそも利用者にとっての家である老人ホームは、生活を営む上での「めんどくさい事」をことごとく利用者から奪い、も…

【前編】「してあげる場」から「共に営む場」を目指して【特養】

「仕事つき」「役割を持って」「共生」そんなワードがあらためて熱いように感じる。 ・要介護の高齢者が有償で野菜栽培に取り組む 「仕事付き高齢者向け住宅」が生み出す可能性 | HELPMAN JAPAN ・「お散歩は『徘徊』じゃない」 駄菓子屋も開店!? “管理”しな…

【ワムネットより】『平成29年度 特別養護老人ホームの経営状況について』を解説します

こんにちは、yuです。皆さんはWAM NET(ワムネット)というサイトをご覧になりますでしょうか。独立行政法人福祉医療機構が運営する福祉・医療・保健の総合サイトで、関係するニュースや行政の動向、様々な調査結果などが掲載されているので、私たちが情報を…

介護人材確保のために、人員配置基準の厳格化を提案したい【政策・経営】

こんにちは、yuです。ここのところ、どうしたら介護分野に働き手がより多く集まるのか(あるいは離れないか)、ということを悶々と考えています。2025年問題*1に向けて、毎年6万人ペースで介護職員を増やさなくていけないと言われていますが… 結論から言いま…

日本のユニットケアは今後どうなっていくべきなのか(3 / 3)一部訂正、再投稿

日本のユニットケアは今後どうなっていくべきなのか、最終回です。前回の記事では、隣り合う2ユニットが合体したものを中規模ユニットと定義づけ、人員配置や職員の動きについての考え方、ハード面のあり方、食事の場面、その他留意点などをつらつらと書き…

日本のユニットケアは今後どうなっていくべきなのか(2 / 3)

日本のユニットケアは今後どうなっていくべきなのか、第二回です。前回は制度面において ユニット型施設はこれ以上増やさない方が良いのでは? ユニットケアの現場運営について、従来型の手法を取り入れた中規模ユニットを目指した方が良いのでは? という2…

日本のユニットケアは今後どうなっていくべきなのか(1 / 3)

先日の記事では、以下の書籍を参照し、日本のユニットケアとスウェーデンのユニットケアの違いを紹介しました。 スウェーデンの老人ホーム―日本型ユニットケアへの警鐘 作者: 岡田耕一郎,岡田浩子 出版社/メーカー: 環境新聞社 発売日: 2011/05/27 メディア:…

あなたの施設は大丈夫?介護施設の決算書を見てみよう【貸借対照表を解説する】

先日、福岡県にある介護施設の経営難がニュースになっていました。 福岡県行橋市流末(りゅうまつ)の社会福祉法人「友愛会」が運営する特別養護老人ホームなど2施設で、複数の職員退職や、水道代の支払い遅延など運営に行き詰まったことが3日、分かった。市…

スウェーデンの老人ホームとの比較から、日本型ユニットケアの問題点を考える【書籍紹介】

こんにちはyuです。少し前のことになりますが、このようなニュースがありました。 埼玉県は3日、特別養護老人ホーム(特養)の整備計画などを検証する県議会の特別委員会で、今後認可する特養について、10床をひとまとまりにして手厚い介護をする「ユニッ…

介護士一人あたりの年間有給取得日数、0.6日→10日以上を実現するまでのプロセス

こんにちはyuです。平成31年度から有給取得の義務化が始まりますね。今まで職員の有給取得状況について意識していなかった・対策をしていなかった会社では、今から準備をしておく必要があります。 平成30年6月29日に労働基準法などの改正案を含む「働き方改…

「利用者:直接処遇職員」比率から考える、介護現場の運営方法

「利用者:直接処遇職員」とは、利用者の数と職員の数の比率のことです。お金のことだけを考えるなら、職員が少なくなるほどに収益性は良くなります。反対にサービスの質や労働環境だけを考えるなら、職員は何人でも増やして欲しいというのが現場の心情です…

介護施設の人事異動について考える

人事異動。どこの法人でも大なり小なり行っている事と思いますが、施設によって異動を行う目的意識、頻度、留意点などにずいぶんと差があるようで、組織マネジメントの観点から考えてみると中々面白いテーマです。上手に考え抜かれた人事異動は立派な戦略・…

介護士よ、利用者の死を恐れる必要は全くない

介護施設で仕事をしていると、「老い」や「死」に対する考え方も職員によってずいぶん違うのだということを実感します。本来それらの専門職でもあるはずの介護士ですが、実際にはそこまで死生観に踏み込んだ教育はなされていないですし、なんなら施設長クラ…

偉くなると、現場を忘れる

前回の記事、「バイタリティに溢れたリーダーが組織をダメにする理由」の補足を少しさせて頂きます。この記事は「バイタリティのある人はリーダーに向いていない」という趣旨で書いたわけではありません。「バイタリティがあるがゆえのリスクに注意しましょ…

バイタリティに溢れたリーダーが組織をダメにする理由

こんにちは、yuです。皆さんは理想のリーダー像といったものを考えた時に、どのような人を思い浮かべますか?例えば、田中角栄、スティーブ・ジョブズ、孫正義など、歴史に名を残す著明なリーダーたち…いずれもバイタリティ溢れる、間違いなく優れたリーダー…

【再掲】長時間夜勤施設が90%超、16時間夜勤が減らない本当の理由 

16日の日経新聞に掲載されたこちらの記事▼ 介護施設の約7割が、16時間以上勤務する2交代制の夜勤シフトを取り入れていることが16日、日本医療労働組合連合会(医労連)の調査で分かった。人手不足が深刻化するのに伴って、2交代制は増加する傾向にある。…

なぜ介護士と看護師の溝は埋まらないのか?

介護業界において、職種間の溝、職種間の争いは避けて通れません。多職種が協力してケアにあたる…その原則は誰もが理解しているにも関わらず、それでも互いの悪口、陰口、不満を言い合って争いが耐えないのが常です。今回は特養を舞台に、どうしてこのような…

介護施設が『無理やり食事介助』をやめる方法【後編】

こんにちは、無理やり食事介助が大嫌いなyuです。介護施設が『無理やり食事介助』をやめる方法、前編では「なぜ無理やり食事介助が起こってしまうのか?」、その複合的な要因について解説しました。 後編では、実際にそれを起こさない施設になろうとした時に…

介護施設が『無理やり食事介助』をやめる方法【前編】

スポーツの世界で暴力的な指導がなくならないように…介護施設で虐待事件がなくならないように…介護施設における『無理やり食事介助』もまた、起きてはならない事と解ってはいても中々なくならない現象の一つです。もっとも、先の二例と比べた時に『無理やり…

「組織図はちゃんと作りこみましょう」という話

皆さんは、ご自身の施設の組織図を理解し、日頃からそれを使いこなせていますか?案外、組織のトップでさえ組織図に関して無頓着で、その結果うまくいかなくなる組織が世の中には沢山あります。組織の営みは身体と似ています。職員それぞれの役割の違いや指…

「介護主任が常に現場に入っている施設」は危険

3月になりました。多くの職場では平成30年度の人事異動や昇格などが発表され、新たな組織編成の準備に追われているところではないでしょうか。ところで、介護施設によくある役職と言えば「介護主任(あるいは主任介護士)」いつも思う事ですが、この役職の働…

長時間夜勤施設が90%超、16時間夜勤が減らない本当の理由

先日、このようなニュースがありました▼ 日本医療労働組合連合会が9日に公表した介護施設の夜勤に関する調査の結果 −− 。厳しい長時間労働になりやすい2交替制をとっている施設が、全体の92.5%にのぼると報告されている。前年から2.3ポイント上昇。このうち8…

上司と部下の溝が永遠に埋まらない理由を、分かりやすく説明する

介護施設では(一般的な会社でも)、上司と部下の溝はつきものです。特に現場を離れた上司と現場業務に入るスタッフとでは、お互いの不満を陰で言い合っている事は珍しくないでしょう。 現場職員「どうせ現場のことなんて知らないくせに、好き勝手言いやがっ…

成長できる人が必ず持っている資質と、それを活かすための教育プログラムとは?

こんにちはyuです。今回は、接遇やサービスマナーに関する人材育成についてです。どのような仕事でも、ある程度経験を重ねた人であれば必ず後輩や部下を持つようになります。組織の目標を達成するために、より良いサービスを提供するために、部下を教育をし…

職員同士のトラブル、公平なジャッジは可能か?【後編】

前回の続きです。前回は、職員同士のトラブルを仲裁やジャッジをするのに、証拠頼りになり過ぎてもいけないですし、上司としては日頃の部下の言動を観察しておきましょう。ジャッジされる側も、信用されるかどうかは日頃の行いが大切ですよ…と言うお話でした…