Sow The Seeds

介護の現場から リーダーのためのブログ

介護関係

他職種に真似できない、介護職に求められる『洞察力』の正体

第二次世界大戦当時、アメリカで活躍した数学者エイブラハム・ウォールド*1の有名な逸話があります。当時、彼は軍からの依頼である調査をしていました。その頃は、爆撃機のパイロットが生き残れる確率は5割ほどと言われ大変リスクも高かった時代。軍は、敵…

【介護施設】清拭タオルの管理方法に関する調査結果

こんにちは、yuです。皆さんがお勤めの介護施設では、排泄援助の時に使用する清拭タオルはどのようなタイプでしょうか?私自身この辺の事情には詳しくなくて、調べてみると以下の3タイプが多いようです。 ① 不織布、使い捨て(ディスポーザブル)タイプ ② …

介護施設における虐待問題を考察する【クローズアップ現代プラス】

6月4日(火)NHKのクローズアップ現代プラスで『介護施設“虐待死”なぜ?』と題した放送がありました。 www.nhk.or.jp 5月末に報道された介護付き有料老人ホームの入居者死亡事件を受けて、介護施設における虐待問題について取り上げたものです。 介護付き有…

【後編】「してあげる場」から「共に営む場」を目指して【特養】

前回の記事では、自立度高めのご利用者Aさんがキッカケで、より幅広いニーズに応えられる施設になるためにはどうしたら良いか考えている。そもそも利用者にとっての家である老人ホームは、生活を営む上での「めんどくさい事」をことごとく利用者から奪い、も…

【前編】「してあげる場」から「共に営む場」を目指して【特養】

「仕事つき」「役割を持って」「共生」そんなワードがあらためて熱いように感じる。 ・要介護の高齢者が有償で野菜栽培に取り組む 「仕事付き高齢者向け住宅」が生み出す可能性 | HELPMAN JAPAN ・「お散歩は『徘徊』じゃない」 駄菓子屋も開店!? “管理”しな…

意思確認が出来ない方へ全ての延命治療を試みることの妥当性【自らの胃ろうを希望する介護職員は1.1%】

Aさまの事例…これまで自分で歩かれたり食事を食べられたり、特養の中では比較的自立度も高く、職員ともコミュニケーションを取りながらマイペースに過ごされていたAさま。ある日脳梗塞で倒れ、救急搬送、入院加療。後遺症のため身体は片麻痺、麻痺側でない方…

「高齢者への虐待件数報道」を深読みする

こんにちはyuです。3月26日、厚生労働省から2017年度の高齢者への虐待件数が発表されました。養介護施設従事者による虐待が510件、家族等養護者による虐待が17078件、報道によっては昨今の介護職員による虐待の不安を煽るような見出しをつけて報じているとこ…

【ワムネットより】『平成29年度 特別養護老人ホームの経営状況について』を解説します

こんにちは、yuです。皆さんはWAM NET(ワムネット)というサイトをご覧になりますでしょうか。独立行政法人福祉医療機構が運営する福祉・医療・保健の総合サイトで、関係するニュースや行政の動向、様々な調査結果などが掲載されているので、私たちが情報を…

※4/14追記あり 介護人材確保のために、人員配置基準の厳格化を提案したい【政策・経営】

こんにちは、yuです。ここのところ、どうしたら介護分野に働き手がより多く集まるのか(あるいは離れないか)、ということを悶々と考えています。2025年問題*1に向けて、毎年6万人ペースで介護職員を増やさなくていけないと言われていますが… 結論から言いま…

スウェーデンで働く日本人介護士さんに、本場の老人ホーム事情を伺った【ユニットケア】

これまで、書籍「スウェーデンの老人ホーム/岡田耕一著」の紹介や、三回に渡って「日本のユニットケアはどうなっていくべきなのか?」という持論を掲載させて頂きました。過去記事リンク▼ スウェーデンの老人ホームとの比較から、日本型ユニットケアの問題点…

日本のユニットケアは今後どうなっていくべきなのか(3 / 3)一部訂正、再投稿

日本のユニットケアは今後どうなっていくべきなのか、最終回です。前回の記事では、隣り合う2ユニットが合体したものを中規模ユニットと定義づけ、人員配置や職員の動きについての考え方、ハード面のあり方、食事の場面、その他留意点などをつらつらと書き…

『介護の生産性』に対する強い懸念、怒れる介護福祉士の主張

こんにちはyuです。最近はユニットケアに関することを連載のように書いていたのですが、ちょっと中休みで、今回は違うことを書かさせていただきます。どうしても気持ちを吐き出したかったので、すみません。先日職場にある平成31年1月1日付のシルバー新報(…

日本のユニットケアは今後どうなっていくべきなのか(2 / 3)

日本のユニットケアは今後どうなっていくべきなのか、第二回です。前回は制度面において ユニット型施設はこれ以上増やさない方が良いのでは? ユニットケアの現場運営について、従来型の手法を取り入れた中規模ユニットを目指した方が良いのでは? という2…

日本のユニットケアは今後どうなっていくべきなのか(1 / 3)

先日の記事では、以下の書籍を参照し、日本のユニットケアとスウェーデンのユニットケアの違いを紹介しました。 スウェーデンの老人ホーム―日本型ユニットケアへの警鐘 作者: 岡田耕一郎,岡田浩子 出版社/メーカー: 環境新聞社 発売日: 2011/05/27 メディア:…

【人材育成】WhyとHowを意識しない介護現場は崩壊する

こんにちはyuです。今回は人材育成にまつわるお話しを少し。いきなりですが以下の事例を見て皆さんはどう思われますか? トイレのドアを開けたまま、女性車椅子利用者のトイレ介助を行い、便座に座った利用者から職員さんが離れて、チラチラ様子を見ながら他…

スウェーデンの老人ホームとの比較から、日本型ユニットケアの問題点を考える【書籍紹介】

こんにちはyuです。少し前のことになりますが、このようなニュースがありました。 埼玉県は3日、特別養護老人ホーム(特養)の整備計画などを検証する県議会の特別委員会で、今後認可する特養について、10床をひとまとまりにして手厚い介護をする「ユニッ…

「穏やかな老い・穏やかな死へのサポート」について法令にも明記する事が必要だ【持論】

久しぶりの更新になります、yuです。最近はもっぱらTwitterで遊んでました、すみません。さて、そんなTwitterをしている中で、色々と論争と言いますか、ちょっと話題になった事がありました。自立支援を積極的にやっている施設の事例なのですがやってる側は…

世界の安楽死事情まとめ【書籍紹介】

少し前のことになりますが、この本を読みました▼ 安楽死を遂げるまで 作者: 宮下洋一 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2017/12/13 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 著者プロフィール スペインとフランスを拠点に世界各国で取材するジャ…

介護士一人あたりの年間有給取得日数、0.6日→10日以上を実現するまでのプロセス

こんにちはyuです。平成31年度から有給取得の義務化が始まりますね。今まで職員の有給取得状況について意識していなかった・対策をしていなかった会社では、今から準備をしておく必要があります。 平成30年6月29日に労働基準法などの改正案を含む「働き方改…

介護は「させて頂いている」のか「してあげている」のか、私的結論。

「介護は『してあげてる』んじゃない。『させて頂いている』と思え」いつからか、誰からか、そのような言葉をたまに聞くことがある。介護の仕事は、意識して気をつけないと「してあげてる」感に支配される。年上の人に対する礼儀も、お客に対する礼儀もなく…

オランダの老人ホームでは、一年間に入居者の半数が亡くなっている?【記事紹介・解説】

こんにちは、yuです。久しぶりの更新です。介護業界では、よく「北欧に学べ」といった趣旨の話を聞くことがあります。どういうことか、もう少し具体的に言うと、「北欧は日本に比べて、ユニットケアやグループホームなど、生活の場としての老人介護体制が徹…

「利用者:直接処遇職員」比率から考える、介護現場の運営方法

「利用者:直接処遇職員」とは、利用者の数と職員の数の比率のことです。お金のことだけを考えるなら、職員が少なくなるほどに収益性は良くなります。反対にサービスの質や労働環境だけを考えるなら、職員は何人でも増やして欲しいというのが現場の心情です…

介護施設の人事異動について考える

人事異動。どこの法人でも大なり小なり行っている事と思いますが、施設によって異動を行う目的意識、頻度、留意点などにずいぶんと差があるようで、組織マネジメントの観点から考えてみると中々面白いテーマです。上手に考え抜かれた人事異動は立派な戦略・…

介護士よ、利用者の死を恐れる必要は全くない

介護施設で仕事をしていると、「老い」や「死」に対する考え方も職員によってずいぶん違うのだということを実感します。本来それらの専門職でもあるはずの介護士ですが、実際にはそこまで死生観に踏み込んだ教育はなされていないですし、なんなら施設長クラ…

「科学的介護」の推進は、たぶん大失敗する

政府が推進している科学的介護。 どのような状態に対してどのような支援をすれば自立につながるか明らかにし、自立支援等の効果が科学的に裏付けられた介護を実現するため、必要なデータを収集・分析するためのデータベースを構築する。 ケアの分類法等のデ…

「当たり前の生活」という言葉が苦手です【介護のはなし】

こんにちは、yuです。介護の世界ではよく「当たり前の生活」という言葉が使われます。「当たり前の生活を取り戻す」「当たり前の生活をさせてあげたい」などなど。どういう時にこの言葉を使うのかというと、例えば私であれば 朝起きたらまずトイレに行って用…

75歳以上のすべての人に、安楽死できる権利を認めてはどうか

104歳のオーストラリア人科学者が、先日安楽死を遂げたというニュースがありました。※上の写真は関係ありません。 【シドニー共同】安楽死を希望していた104歳のオーストラリア人科学者が11日までに、渡航先のスイスで致死量の薬物を注射し死亡した。最後の…

最近嬉しかった部下とのやりとりを聞いてくれ【マネジメント・人材育成】

先日、夜勤をしていた時の出来事。一緒に夜勤をしていた部下とのやりとりで、とても嬉しいことがありました。人材育成や組織マネジメント、上司と部下のやりとりの一事例として、ご紹介させていただきます。

バイタリティに溢れたリーダーが組織をダメにする理由

こんにちは、yuです。皆さんは理想のリーダー像といったものを考えた時に、どのような人を思い浮かべますか?例えば、田中角栄、スティーブ・ジョブズ、孫正義など、歴史に名を残す著明なリーダーたち…いずれもバイタリティ溢れる、間違いなく優れたリーダー…

【再掲】長時間夜勤施設が90%超、16時間夜勤が減らない本当の理由 

16日の日経新聞に掲載されたこちらの記事▼ 介護施設の約7割が、16時間以上勤務する2交代制の夜勤シフトを取り入れていることが16日、日本医療労働組合連合会(医労連)の調査で分かった。人手不足が深刻化するのに伴って、2交代制は増加する傾向にある。…